「農民」記事データベース20140414-1113-05

TPP参加・焦眉の論点を考える

“早期妥結ありき”の交渉だ


大学教員の会がシンポ

 TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会と国際アジア共同体学会は共催で3月22日、都内でシンポジウム「TPP交渉・焦眉の論点を考える」を開きました。

 大学教員の会の醍醐聰東京大学名誉教授が開会のあいさつ。日本政府が早期妥結ありきで交渉を進めていることを批判し、積極的な議論を呼びかけました。

 大妻女子大学の田代洋一教授が「TPP交渉とポストTPP農政の展開」のテーマで報告。TPPは「関税や物品・サービスについて貿易と投資の障壁を撤廃する」ことが原則であり、「重要5品目などの関税を撤廃しないとする自民党公約や国会決議を守ることを前提にしている日本政府こそが原則に反していることになる」と述べました。

 さらに、政府は生産調整政策を廃止しようとしていることについて、「TPPで安い外米が輸入されれば生産調整政策は無効となる」と語り、飼料米に活路を求めていることも「TPPで畜産が滅びたら何に飼料米を食べさせるのか」と疑問を投げかけました。

 横浜国立大学の萩原伸次郎名誉教授は、アメリカで大統領に貿易促進権限を与えるTPA法案がとん挫する可能性を指摘し、TPPに代わるアジア・太平洋圏の通商・貿易構想について述べました。

 長野県・佐久総合病院医師の色平哲郎さんは、日本は皆保険で国民は比較的質の高い医療を受けられることを述べ、「TPPで米価は下がり、薬価は上がる」と語りました。

 司会を務めた慶応義塾大学の金子勝教授は、「TPP参加問題が再び浮上する可能性がある。粘り強く運動を」と訴えました。

(新聞「農民」2014.4.14付)
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2014年4月

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