「農民」記事データベース20140331-1111-05

本の紹介

公害救済のモデル「恒久救済」
〜森永ひ素ミルク中毒事件から学ぶ〜

原発事故被害者の救済に
ひ素ミルク事件いかそう


画像  1955(昭和30)年に西日本でおきた森永ひ素ミルク事件の被害者は59歳になり、裁判和解によって獲得した「被害者を守る会、森永乳業、国の三者会談方式」による「恒久救済制度」によって生涯にわたる人権と健康を守られています。

 このブックレットは、福島原発事故から3年を経た被害者のおかれた現状が森永ひ素ミルク事件当初の被害者の状況と酷似していることから、改めて、森永ひ素ミルク事件の経過と現状を学び返し、原発事故の被害者の救済に役立てたいと、当事者たちが執筆し、編集しました。

 本書の「第1部・いのちを守り人権の回復を目的とする“恒久救済”―公害被害者救済の新しいモデル―」は被害当事者が書いています。「第2部・公害運動発展の契機となった『14年目の訪問』―事実を追い求めた足取り―」は加害企業と国によって隠ぺいされていた被害と後遺症を被害児訪問によって実証し、裁判で証言していった養護教諭、保健師が、「第3部・恒久救済事業にたずさわって」は救済事業を支えてきた弁護士、ソーシャルワーカーがそれぞれ執筆しています。

 放射線内部被ばくを公害運動としてたたかうために被害当事者と各界・各層の専門家と支える広範な全国の支援者をつなぐ一冊として普及していただきたいと思います。

(母性史研究者 山崎万里)

 せせらぎ出版刊。A5判ブックレット、66ページ
 定価 本体800円+税
 注文先 せせらぎ出版 TEL 06(6357)6916、Fax 06(6357)9279

(新聞「農民」2014.3.31付)
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2014年3月

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