シリーズ
食品表示を考える
[12]
表示検討の監視をしよう
食品表示をめぐる2つの検討が急ピッチで進められています。その拙速審議が心配されます。
一つは、食品表示法施行までに策定される新食品表示基準の検討。消費者委員会の食品表示部会に「加工食品」「生鮮食品・業務用食品」「栄養成分」をテーマに3つの調査会が設置され、検討が続けられています。
もう一つは、消費者庁の「食品の新たな機能性表示に関する検討会」。いわゆる健康食品の機能性表示の導入に向け、アメリカのサプリメント制度などを参考に検討されています。
いずれも昨年12月に着手され、それぞれ2月現在までに数回の検討を重ねてきました。来年6月までに施行される食品表示法、来年3月までの実施が閣議決定されている機能性表示。スピーディーななかに懸念もあります。
|
健康食品の機能性表示に反対の意見も(日本弁護士連合会主催のシンポジウム) |
すでに、食品表示基準をめぐる3テーマの検討では委員の間から「消費者に必要な情報を提供する表示制度にするという視点が審議には抜けている」「消費者目線に立たず事業者団体の顔色ばかりを気にする消費者庁の姿勢が顕著」などの指摘もあがっています。
特に、栄養成分表示調査会では、母体・胎児への健康影響などが懸念される「トランス脂肪酸」に関するオブザーバー委員の発言を座長が封じ込めようとした強引な審議も問題となりました。
トランス脂肪酸の審議が「消費者基本計画」に盛り込まれているにもかかわらず検討しようともしない調査会のあり方にオブザーバー委員からは抗議の「意見書」が提起されています。
表示検討をめぐっては監視活動が必要です。
(つづく)
(月1回掲載)
(新聞「農民」2014.3.10付)
|