『うしぶくろ　歴史　夜ばなし』発行

千葉県農民連
杉山寿一さん＝木更津＝

自分の住む土地を知ってこそ
その地に愛着心がわいてくる

　もともと杉山さんは近くの里山に貝塚があったこともあり、地域の歴史に興味を持っていました。村づくり協議会の立ち上げに当たって、「この土地のことを知らないと愛することもできない。よくしていくこともできない。先輩たちがどのような努力をしてきたか知ることが、土地を愛することにつながるのでは」と考えて杉山さんは連載を掲載しました。

梨の手入れをする杉山さん

　10年ほど前から調べ始めていたそうですが、古文書と言われるものがなく、口伝もほとんどないなかで調べるのは苦労の連続でした。著書には数万年前の大地の成り立ちから記述が始まりますが、牛袋集落を通過している東京湾アクアラインの連絡道路建設のときに行ったボーリング調査の結果から分かったこともありました。

　また君津郡史や千葉県史などの記述や、子どものころに見聞きしたことから推測するなどしてまとめていきました。

　前半は牛袋の草花や風景、祭りの写真が収められ、本文も土地の歴史だけでなく当時の祭りの記述などもあり、人々の暮らしの様子もうかがえる書籍となっています｡「自分の住む牛袋のことをよく知って、愛着を持ってほしい」という杉山さんの牛袋に対する愛情が伝わってくる一冊です。

　▼定価1500円＋税
　▼問い合わせ先　杉山寿一　TEL・FAX 0438（98）2957