「農民」記事データベース20140303-1107-09

第16回大豆畑トラスト全国交流集会

“みそ、しょうゆはすご〜い”
地元栽培の在来種が原材料

関連/河崎紘一郎さんの話


広がるGM大豆の健康被害

 市民が生産者とともに国産大豆をつくり、自給率を上げることをめざす第16回大豆畑トラスト全国交流集会が2月14日、都内で開かれ、生産者や市民ら約70人が集いました。主催は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン。

 昼食交流会では、大豆をふんだんに使った料理を楽しみました。

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大豆料理やお菓子を囲んで交流しました

 交流会前半は、みそとしょうゆ、大豆をテーマに報告がありました。創業100年を迎えるマルカワみそ(福井県越前市)の河崎紘一郎さんが「お味噌(みそ)はすごい!」と題して、みその魅力的な話をしました。(別項)

 秀明自然農法ネットワーク(茨城県取手市)の代表は、市販されているしょうゆの現状を述べ、熟成期間も短く、添加物も多く含まれていることを語りました。秀明では、無農薬の地元で栽培した在来種の青大豆を原材料に、木だるで2年間熟成させ、添加物を使わないしょうゆを取り扱っています。

 遺伝子組み換え大豆の現状を説明した、キャンペーンの天笠啓祐代表は、日本が遺伝子組み換え(GM)作物の非栽培国でありながら世界最大の輸入国であることを指摘しました。

 現在まで、厚労省は、除草剤(グリホサート)耐性大豆(モンサント)、除草剤ジカンバ耐性大豆(モンサント)など9種類のGM大豆を承認しています。

 GM大豆の問題について、「除草剤ラウンドアップの散布が農家や住民の健康を破壊している」と述べ、アルゼンチンのコルドバ州では白血病、皮膚のかいよう、内出血、遺伝障害などが多発し、サンタフェ州では肝臓がんが他地域の10倍、胃がん・精巣がんが3倍になっていることを示しました。

 交流会の後半では、各地でさまざまな形で広がるトラスト運動が紹介されました。

 米づくりを支える取り組みでは、山形・新庄ネットワーク農縁の水田トラスト、岐阜・愛知・流域自給をつくる大豆畑トラストのはさかけトラスト、茨城・市民の大豆勉強会のアイガモ水田トラストがあります。ナタネでは、福岡・みのう農民組合が大豆畑トラストとともに菜種トラストに取り組んでいます。


河崎紘一郎さんの話

 1983年に味噌屋の息子として生まれました。幼少期は味噌屋に劣等感をもっていましたが、18歳のときに味噌屋を継ごうと決意。今は心からみそが大好きです。

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報告する河崎さん

 米みそは、米こうじ、大豆、食塩の3つからできています。大自然の恵みの産物で、シンプルな素材でシンプルに作ります。しかし、奥が非常に深い食品です。

 みそは人間の味覚を支えてきました。人間の味覚は(1)甘味(2)うま味(3)塩味(辛味)(4)酸味(5)苦味の5つがあり、5つの味をバランスよく含んだ食品がみそです。

 日本人の味覚は、みそとともに歩んできました。「味噌」という文字をみてみると、「噌」という字は「かまびすしい」と読み、「にぎわっている」という意味です。つまり、「味がにぎやかに混ざり合っている」食べものということになります。

 今後も、国産の有機栽培された原料や自然栽培のみそを作れることに喜びとやりがいをもって取り組んでいきたいと思います。

(新聞「農民」2014.3.3付)
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2014年3月

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