忍び寄るGM汚染
(遺伝子組み換え)
食農市民ネット 懇談会・院内学習会
ナタネ汚染
放置すれば影響広がる
食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(食農市民ネット)は2月13日、「生物多様性が危ない! 忍び寄る遺伝子組み換え汚染」メディア懇談会・院内学習会を開き、農水・環境両省も参加しました。
はじめに、食農市民ネットの天笠啓祐共同代表が開会あいさつ。今年は遺伝子組み換えナタネの自生調査が10年目を迎えた区切りの年であることを紹介し、「9、10月に韓国で行われる第12回生物多様性条約締約国会議(COP12)と第7回カルタヘナ議定書締約国会議(MOP7)に向けて、NGOの力を発揮するときだ」と述べました。
食農市民ネットの河田昌東共同代表(遺伝子組換え食品を考える中部の会)が「遺伝子組み換えナタネ汚染の現状と問題点」のテーマで報告。2010年に名古屋で行われたCOP10・MOP5のときに、三重県が県内で栽培していたナバナ等ナタネの種子の自家採取をやめ、種子を県外から調達することになったことを述べ、「遺伝子組み換え(GM)作物による損害」の国内最初の事例だと指摘しました。
さらに「日本の農家はこれまで国が栽培認可しているすべてのGM作物を栽培していない。これは消費者と生産者のこれまでの活動の成果であり、GM汚染が深刻な段階に進まないように今後も連携しなければならない」と強調しました。農水・環境両省と意見交換を行う
その後、農水・環境両省との意見交換が行われました。市民ネットは、MOP5で定められた「名古屋・クアラルンプール補足議定書」がGM生物によって損害がでた場合の「責任と修復」を規定していると指摘し、「三重県の場合も損害が出ている。補足議定書を適用すべきだ」と迫りました。
農水・環境両省は「責任と修復」の損害とは生物多様性に悪影響を及ぼすことであり、経済的な損害は含まないとの見解を示しました。
最後に河田共同代表は「汚染を放置すると環境への影響は広がる。両省はもう一歩踏み出してほしい」と閉会あいさつをしました。
(新聞「農民」2014.3.3付)
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