「農民」記事データベース20140303-1107-03

TPP交渉 ヤマ場

5項目守れないなら撤退を

食健連 農民連 国会前で宣伝

関連/TPPの協定草案の公開を
  /“TPP交渉から撤退を”の声さらに


 TPP交渉がヤマ場を迎えていることを受けて、全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)と、農民連は2月18日、国会前での宣伝行動と議員要請に取り組みました。

 全国食健連の坂口正明事務局長は、甘利明TPP担当大臣がアメリカ通商代表部(USTR)のフロマン代表と協議している動きに触れて、「決裂回避のために、こんな策動をしなければならないこと自体が、TPP交渉の道理のなさを示している」と怒りを込めました。

 農民連の白石淳一会長も北海道から上京。「重要5項目を守る公約で自民党は政権に就いた。5項目を守れない以上、すぐ交渉から撤退すべきだ。私たちの運動をさらに強めよう」と訴えました。

 大阪や新潟、埼玉などからも参加者がかけつけマイクを握りました。

 埼玉食健連の小玉久さんは、「埼玉ではいま豪雪被害が深刻で、ビニールハウスをはじめ農業が大打撃を受けている。TPPでは影響が少ないなどと言われている野菜の産地の埼玉でも、米・麦がダメになったら、農業の担い手はいなくなる。やっぱり交渉撤退しかない」と、発言しました。

 日本共産党の紙智子参院議員もかけつけ、「自民党政権は『1ミリたりとも譲らない』などと豪語していたではないか。他の野党とも力を合わせて、国会でも集中審議を求めていく」と激励しました。

 両院農水委員へ要請行動も

 この後、参加者は衆参両院の農水委員の議員を訪ね、TPP撤退を求めて要請を行いました。


TPPの協定草案の公開を

超党派の国会議員
12カ国担当大臣に共同書簡

 TPPについての情報開示を求める超党派の国会議員が交渉参加12カ国の担当大臣に対して国際共同書簡を送ることになり、市民団体と共同して2月14日、国会内で記者会見を開きました。

 書簡は、甘利大臣をはじめとする各国担当大臣に対し、十分な時間をもって議会で審議し、国民による検討ができるよう、最終合意または調印を待つことなく、協定の草案を公開することを求めるものです。

 昨年11月にアメリカ、12月にチリの国会議員がすでに同様の書簡を公表しており、今回はオーストラリア、カナダ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルーと日本が共同で送付しました。

 秘密交渉に批判

 日本共産党の紙智子参院議員は「アメリカからでさえも、議会で全く議論しないのはおかしいと、大統領に貿易促進権限を付与する法案が通らない。こうした中で各国の国会議員が共同行動するのは非常に大きな意味がある」と述べました。民主党の篠原孝衆院議員は会見で、「いかがわしいものほど公開したがらない。昨年成立した特定秘密保護法を先取りするやり方だ」と話すなど、賛同議員から秘密交渉への批判が相次ぎました。

 この日は同じく情報公開を求める「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」も共同で会見。3月まで行っているオンライン署名について説明し、農民連を含め100余りの団体が賛同し、個人署名も1700人を超えました。

 議論すらさせぬ

 日本国際ボランティアセンター代表の谷山博史さんはTPPの内容について、「日本の国益を守るだけではない。日本以上に、途上国の立場の弱い人たちが影響を受ける。途上国相手に取り返せばいいという態度自体が問題だ」と国際的にも大きな問題を引き起こすことを指摘しました。

 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)の坂口正明事務局長も「TPPがいいのか悪いのか、議論すらさせないことが許せない」と訴えました。

 NPO法人AMネット理事の神田浩史さんは「TPPは決して農業と製造業の対立ではない」と述べます。愛知の中小製造業者への講演で「TPPはプラスになると思っていたが、そうでないのか」と理解が広がっている様子を報告しました。


“TPP交渉から撤退を”の声さらに

国民大運動実行委 国会前行動

 国民大運動実行委員会は2月19日、国会前行動に取り組み、約350人が集結しました。

 全日本民主医療機関連合会の吉田万三副会長は、9日投開票の都知事選を振り返り、「前日本弁護士連合会の宇都宮健児さんは敗れはしたが、大健闘だった。運動と結びついた選挙戦だった」と振り返りました。

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国会前で訴える吉川事務局次長(左)

 農民連は吉川利明事務局次長がマイクを握り、各地の豪雪被害のもようとTPP交渉の現局面を詳しく説明。「TPP交渉からの撤退を」の声をさらに広げる決意を述べました。

(新聞「農民」2014.3.3付)
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2014年3月

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