農民連女性部第25回総会
農家のお母ちゃん
パワーがいっぱい
関連/参加者の感想
全国で女性部次々誕生
“攻めの農業”にもの作りでパンチ
2月8、9の両日、農民連女性部第25回総会が東京都台東区の台東区民会館で開かれ、北は北海道、南は九州から120人の農村女性が集いました。折しも東京は45年ぶりという大雪。交通機関も大混乱し、開催も危ぶまれましたが、熱気にあふれた討論が交わされました。
破たんするのは目にみえている
農民連の笹渡義夫事務局長があいさつを兼ねて、安倍内閣が打ち出している「攻めの農政改革」について報告し、「TPP参加を前提にした市場原理一辺倒の“農政改革”は、破たんするのが目に見えている。こうした悪政とたたかうと同時に、これまで以上にものを作り、加工して、消費者と結びついて、届ける運動を強めよう」と呼びかけました。
弁護士の青龍(せいりゅう)美和子さんが「憲法と女性の権利の生かし方」をテーマに記念講演し、憲法を農村女性の置かれた現状に引き寄せて解説。安倍内閣が「女性が輝く日本」をキーワードにしながら、実際には女性の低賃金労働の実態にメスを入れることもせず、子育てや介護を家族の義務として女性に押しつける政策を推進しようとしていることを批判しました。
仲間作り、原発、TPP…
多彩にがんばる姿生きいき
被災地から撤退考えずがんばる
討論では、仲間作りやものづくり、TPPに反対する運動など各地で多彩にがんばっている女性たちの姿が、いきいきと報告されました。
福島の渡辺チイ子さんは、南相馬市の現状を報告。「今年も原発から20キロ圏内では水稲の作付けは試験栽培のみで、組合員はいま農業以外の仕事をせざるをえない。そういうなかでも元気を出そうと女性部で集まり、被災地から撤退しないでがんばろうと励まし合っている」と述べ、会場から大きな拍手が湧きました。
「農家のおばあちゃんでもTPPがわかるようにと寸劇を作って、学習会で披露している」と発言したのは、群馬の木村君江さん。県内でTPP反対の集会を開催したり、「12・8TPP大行動」に、大型バスで駆け付けた取り組みなどを報告しました。
種子を守る運動の発言もありました。福島の佐藤常子さんは、原発事故を契機に、地域の農家民宿をしている女性たちや旅館の女将さんと「喜多方めんこいくらぶ」を結成し、在来種の綿花栽培をグリーンツーリズムの農業体験に結び付けて、取り組んでいることを報告。「私もずっと前から綿の種取りを一人でしてきたが、めんこいくらぶができ在来種が町おこしの目玉になった」と話しました。
女性部多く確立25周年を祝おう
女性部を結成したという発言も相次ぎました。福岡県の高木光代さんは九州ブロック女性部交流会の帰路のバス車中で、県の女性部が結成されたことを報告しました。20ヘクタールの水田を家族で耕作する高木さんは、一念発起して大型特殊の運転免許を取得。「とれっこない」と笑って反対していた家族に、「これからは私が田植え機に乗るっち、お父さん、苗運んで!」と、米作りにがんばっている様子を語り、会場に抱腹絶倒の笑いの渦を巻き起こし、「農家のお母ちゃんは元気な人がいっぱい。女性部を多くの人に広げたい」と抱負を述べました。
岡山県でも昨年、単組で女性部が再結成されました。坪井瑞穂さんは、これまでは麹だけの提供だった新日本婦人の会と共同のみそ作りに、今年は大豆も自分たちで栽培して提供したことを発言。「米価も年金も下がるなかで、私たちも加工所をつくってみそを作って売っていきたい」。
加工の取り組みでは、埼玉県の森千恵子さんと阿南マチ子さんも、「昨年は高温障害でくず米がたくさん出てしまい、今年は県の農民連でつくった加工所を活用して、女性部で米粉の加工品作りに挑戦したいと相談が始まった。もの作りの話はやっぱりみんなが元気になる」と報告しました。
総会は最後に、「結成25周年を、全国で女性部を確立して迎え、お祝いしよう」との方針を盛り込んだ総会決議案を、満場一致の拍手で採択し、閉会しました。
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「聖者が街にやってくる」の替え歌も飛びだした夜の交流会 |
踊りや手品などどっと会場わく
1日目の夜は、女性部総会恒例の交流会が開かれ、各地から持ち寄られた逸品料理が所狭しと並びました。大雪のなか、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員も駆け付け、あいさつしました。
今は行動あるのみ!
宮城県 千葉より子さん 全国の女性部のみなさんの行動力にびっくりしました。その原動力はやはり国や県に農家の女性の思いを届けたいという一心からではないでしょうか。私にも孫がいますが、原発や食の安全性に興味があります。私たち宮城県の女性部も一昨年、結成したばかり。何もわからないで突っ走ってきましたが、いまは行動あるのみ!です。
みんなは活動に自信
福岡県 鬼木恵美子さん 昨年、農民連に入会して、女性部総会にも初めて参加しましたが、すごく楽しかった。若い人から人生の先輩方まで、幅広い年齢の人たちがしっかり自分の人生を生きて、元気に活動していること、そしてその活動に自信をもっていることがとても印象的でした。
発言がとても参考に
島根県 森下和子さん 島根県でも女性部結成の準備が始まったと聞いて、総会に初めて参加しました。とても感動しました。島根は棚田が多くて、大規模農業もできないので、TPPで大打撃を受けるし、中山間地の農政も変わってきます。もっと勉強して、米価下落にも声を上げていかねば、と思いました。
全国のパワーに圧倒
和歌山 中村祐子さんと高木紀子さん 2人とも農民連の会議に参加するのも初めて。全国のお母さんたちのパワーに圧倒されっぱなし、意識の高さにビックリしました。TPPや原発、農政などもたいへん勉強になりました。
(新聞「農民」2014.2.24付)
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