築地移転は卸売市場を壊す
対話集会・パネルディスカッション
関連/被災地へ届けた支援米3県にのべ21回、約30トン
移転地・豊洲―――――
日本で最高最大の汚染物流計画はずさん
築地移転問題を考える会実行委員会は東京都中央区で1月25日、「築地移転問題は、卸売市場を殺す」対話大集会を開催しました。
初めに全労連・全国一般東京地本東京中央市場労働組合の中澤誠書記長が築地移転問題をレクチャー。「セリ取引は適正な価格形成により生産者、産地と商店街、消費者双方の利益を守ることができる天才的なシステムだと思う」と話しました。
かつて、沖縄のマグロが一番の高値で競り落とされたことを紹介し、「いいものを作れば、産地がどこでも築地では必ず高値で売れる。これが築地ブランドです。生産者の意欲を守っています」と卸売市場の存在意義を説明しました。
豊洲新市場については、「有害物質のベンゼンが基準値の4万3000倍、毒物であるシアンも検出限界の930倍も検出されている、日本で最高最大の汚染地域になっている。しかも地下水にまで汚染が進み、地下水が地表に出ないように永久にくみ上げ続けないといけない」と汚染の現状を指摘。「市場の真ん中に幹線道路が通っており、水産部と青果部が分断されている。このままでは『刺し身を仕入れ、つま用の大根を注文しても運ぶ手段がない』という状況になる」と物流計画のずさんさも取り上げました。
この現状に農水省も中央卸売市場整備計画で築地市場の「廃止」の記述を削除し、豊洲新市場も「ただちに開設を意味するものではない」と議事録に明記されるなど、「運動で勝てる状況が生まれている」との報告に大きな拍手が起きました。
パネルディスカッションでは中澤さんと、『サルでもわかるTPP』著者の安田美絵さん、弁護士の宇都宮健児さん(都知事選候補)が討論。安田さんは「国が安かろう、悪かろうの食品を押し付けようとしている。人間がまるでブロイラーのように扱われて、気持ち悪い社会になってきた」とTPPを含む食糧政策を批判しました。宇都宮さんは「老朽化を指摘した石原都政が、利用料を徴収してまともな補修をしないのはおかしい。こんな大家はいない」と話しました。
横浜の保育園と庄内産直センター(山形)
横浜市の横浜中華保育園で1月24日、「被災地の子どもたちにお米と笑顔を届ける保育園の会」の1年間の活動報告会が開催されました。横浜市内の8つの保育園から9人と山形県・庄内産直センターから2人のあわせて11人が参加しました。
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被災地に支援米を贈る取り組みについて話し合いました |
庄内産直センターの菅原司専務が、これまで支援米を被災3県へのべ21回にわたり届け、3つの自治体、16の保育園、3つの団体へ、合計29・1トンにのぼったことを報告しました。支援金も目標を大きく超える1000万円以上になり、これらの取り組みから生まれた大きな善意と感謝を共有しました。
また、これまでの感想や今後の展開も話し合い、「支援の思いをどう形にするか」「3年近くになって要求も変わってきている」「原発事故について学習したい」「ニュースを出そう」「被災地の父母や保育士と交流したい」などの意見が出ました。
支援米の活動以外にも、被災地への訪問や被災者・避難者との交流などを通してより親交を深め、震災を風化させずに引き続き支援を行うことを確認し合いました。
(山形・庄内産直センター 渡部正一)
(新聞「農民」2014.2.10付)
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