「農民」記事データベース20140210-1104-02

サケ刺し網漁を許可せよ

岩手県漁民組合

関連/地域の協同さらに広げよう


資源管理も提案しながら
要求10項目かかげ県交渉

 岩手県漁民組合は1月28日、岩手県に対して「漁船漁業の復興についての要請」を行いました。要請に先立ち、藏徳平組合長は「漁民はこれまで県や国に『お願い』を何十回もしてきた。しかし、こんどは『お願い』ではなく生存権をかけたたたかいだ」と語りました。

 要請には、漁民組合の組合員を中心に全県から62人の漁業者らが参加。県からは農林水産部水産振興課総括課長ら4人が応対しました。要請は大きく「漁民に魚をとらせ所得を増やし、資源の再生産ができるように」「魚資源の保護と再生産ができるように」「漁協が本来の目的を果たすように」の3点10項目にわたる多岐な内容です。

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三陸漁業の振興を訴える青年

 現在、サケ漁については漁船漁業者が取り組みやすい刺し網漁が岩手県では認められていません。北海道、青森、宮城などでは認められていますが、岩手県では漁協や実質的に個人所有となっている定置網漁業者の利益が優先され、「資源保護」を名目に刺し網漁が禁止されています。

 参加者からは「カゴ漁だけでは、9月〜12月の収入が足りない。東日本大震災からの復興のうえでも、刺し網でサケをとれるかどうかに暮らしがかかっている」という声が相次ぎました。

 要請には20代〜30代の若者が20人ほど参加。釜石市唐丹の三嶋祐輔さん(20)は語りました。

 「父さんは船が来たといって喜んでいる。自分には借金のかたまりにしか見えない。父さんはいつも『金がない』と、悩みながらやっている。自分は悩みながら漁業をやりたくない」

(岩手県農民連 岡田現三)


地域の協同さらに広げよう

山田農民組合創立30周年・房総食料センター
山田集荷場建設20周年式典

千葉・香取

 千葉県の「山田農民組合創立30周年」と「房総食料センター山田集荷場建設20周年」の記念式典が1月23日、香取市で行われ、80人を超える参加者が集いました。山田農民組合は県の農民運動から結成された房総食料センターに加入する山田町(当時)の農家16人が1984年に結成。現在では地域の6%を占める60人の農家が会員となっています。

 30年の活動つづる記念誌『歩み』発行

 式典では宇井正一組合長が、「コメ輸入自由化反対・食糧健康を守るみんなの集会」(1990年〜93年まで4回開催)をはじめ、幅広い協同の力で農業と環境を守ってきた30年の活動を振り返りました。また、石田廣書記長から、農民組合の多面的な活動がつづられた記念誌『山田農民組合の歩み』(60ページ)も披露されました。

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30年をふり返る宇井組合長

 式典では市や商工会、農協関係者があいさつしたほか、「農業はもちろん、日本を守るものになっており、農家一人ひとりの生活向上を基本に地域、そして国を考えるという地に足のついた活動が展開され、共感をよぶものとなっております」との宇井成一香取市長からのメッセージが代読されました。

 さらに、農民連本部の笹渡義夫事務局長が「現在の農業情勢と農民組合の役割」と題して記念講演し、「地域の資源と条件を生かした循環型社会の確立に向けて、JAや自治体を含む地域の協同をすすめる必要がある。農民連がその核となることが求められている」と激励しました。

(千葉県農民連 森吉秀樹)

(新聞「農民」2014.2.10付)
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2014年2月

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