「農民」記事データベース20140127-1102-10

旬の味


 コタツに入ったまま窓の外を眺めていると、柿の木に残った実を求めて、小さな来客者がひっきりなしにやってくる。野の鳥も農家と同じで、自然の恵みが頼みの綱のようだ▼今年の正月は冷え込みが厳しく、日陰では一日中水たまりに張った氷が融けない日もある。年明け最初の日曜日、近所の公民館の前の田んぼに、背丈よりも大きなササを担いだ子どもたちが集まってくる。この正月飾りを焼く行事を、私の地域ではどんど焼きという▼門松にしめ縄、おやすに書き初め、各々の家から集められた正月飾りに火が入れられると、パンパンという竹の弾ける音がする。この音から、どんど焼きという名がついたらしい▼私が子どものころには、プラスチックの正月飾りも平気で火に入れていたが、最近では昔のように鼻を突くような匂いはしない。ただ竹の焼ける香ばしい匂いだけだ。ニュースや新聞からは、きな臭いにおいがする正月だけれど、子どもたちのはしゃぐ声が響く、平和な年を願わずにはいられない。

(よ)

(新聞「農民」2014.1.27付)
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2014年1月

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