「農民」記事データベース20140127-1102-05

税金
ワンポイント


今年から施行される
記帳義務について

 いよいよ今年から「記帳義務」が施行されます。そこで農民連の記帳簿を使っての、記帳上の注意をお知らせします。

 税金学習会で「記帳義務者は?」との質問がよく出されます。国税通則法改悪による記帳義務は「事業を営む事業者」です。従って、給与所得者や年金所得者が、医療費控除や保険・扶養申告で還付申告する場合は「記帳」の必要はありません。一方で所得税の申告をしない(事業所得が20万円以下)人も「記帳」が求められています。

 (1)記帳の第一は、原始伝票(納品書、領収書等)の保存から始まります。

 しかし、私たちが多く利用するJA(農協)では、購買品に金額まで正確に記入した納品書が添付されていないことがあります。また引き落としは口座通帳から一定の期日が来れば引き落とされます。この時にも領収書が送付されない場合の方が多くなります。

 こうした場合は、JA(農協)の通帳を元に記帳しましょう。

 現金を下ろして農業の経費となる物を購入したときは領収書を保存しておきましょう。

 (2)「収入は正確に計上し、経費はチリ一つ残さない」の立場で記帳しましょう。

 農畜産物の売り上げは、できるだけ日にち順に記帳しておきましょう。

 請負耕作やトラクターなどの賃耕料、農業以外の収入がある人は相談員に相談してください。

 (3)経費は、記帳簿にある分類分けに従って記入します。

 「経費は、その所得を得るために直接要した費用」とされていますから、農業収入に必要な費用は全て経費として計上します。

 白色申告の場合、メモが有効です。摘要(メモ欄)を活用しましょう。万一領収書を紛失してしまった場合でも、メモに経費の購入日、品目、購入先、金額などを記載し記帳しておきます。

 (4)水道光熱費、ガソリン、電話代など農業経費と一般生活費が同一で支払われているものは、全額を記帳しておいて、年末の決算で記帳簿の計算式であん分します。つまり総額から農業に使用した割合を計算して経費算入します。「申告納税制度」の重要部分です。自分の経営をみて、自分で判断します。

 (5)10万円未満の農機具は全額その年の経費になりますが、10万円を超える農機具は減価償却でその年の経費を計算します。農業機械・器具は2008年から耐用年数が7年(償却率0・143)に統一されましたが、建物、構築物や生物はそれぞれ耐用年数が異なりますから「手びき」等を見てください。農機具の中古購入や修繕は相談員に相談を。

 (6)以上を「農業収入・支出帳簿」に記入して、年間の合計がそれぞれできれば、税金申告の「収支内訳書」が完成します。みんなで励まし合って記帳しましょう。

(税金対策部・坪井貞夫)

(新聞「農民」2014.1.27付)
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2014年1月

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