何よりも海で稼げるのがいい
岩手 気仙・釜石地区三陸漁業生産組合
組合長 瀧澤英喜さん
新しい船 年初から本格稼働
岩手県大船渡市三陸町の越喜来(おきらい)地区を中心に気仙・釜石市地区の漁民が参加して結成した三陸漁業生産組合。組合長の瀧澤英喜(たきさわえいき)さんの新しい船が新年から活躍しています。
船の名前は「第十八宝来丸」。震災まで乗っていた「第八宝来丸」は末広がりを願った船名でしたが、さらなる発展への思いを込めて「十」が加えられました。
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たくさんの人が第十八宝来丸のお披露目を祝いました |
大船渡市三陸町崎浜漁港で昨年11月30日に行われたお披露目には、地域の皆さんが岸壁に集合。大漁旗を飾りつけた第十八宝来丸が、漁港を一周しました。船上には、全県の漁民組合の仲間も乗りこんで、お祭りの雰囲気。岸壁に戻ると、船からの餅まきに浜が湧きました。
4・9トン、495馬力、速力23ノット。「走りすぎてやんたくなる。あぶら食ってなあ」と瀧澤さんはうれしそうに語ります。「相手の速度・角度もわかる」という高性能のレーダーをはじめとした最新鋭の機器も搭載しています。
震災以降、造船所が込み合っており、間もなく3年目を控えてようやく船がつきました。「おれが最後だな。ほかはまず、みんな来たし」。船が来るまでも瀧澤さんは漁民の共同・加工の取り組みに奔走してきましたが、いよいよ本格的な海での仕事が始まりました。
「船がきて2日後から、この船でホタテの作業にかかりっきりです。これまでより大きい船なので、波があると流されやすいなどの点はありますが、だんだんに慣れてくるかと思います。この冬はシケが続いているので苦労していますが、何よりも海で稼げるのがいい。これから、どんどんこの船を使っていきたいと思います」。
瀧澤さんの力強い決意です。
(岩手県農民連 岡田現三)
(新聞「農民」2014.1.27付)
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