「農民」記事データベース20140106-1100-10

旬の味


 田んぼの見回りをしているうちに農家の方から喜怒哀楽の話を聞いた一年が過ぎ、2014年を迎えた▼埼玉県東部地域に引っ越して2年目の新春。昨年暮れから所々でトラクターに乗り田んぼの荒起こしをしている農民の働く姿が目に付く。黙々と作業をする様子を見ていると、今年も稲作りにがんばるぞという農民の作る意欲と決意を感じる。「祖先から受け継いだ農地を荒らすことはできない」と稲作りをしていた農民の言葉が頭をよぎった▼TPP問題をわかりやすく伝える本を探していたら『食と戦争―米国の罠に落ちる日本』(鈴木宣弘著)に巡り合った。農民や消費者からの目線でTPP問題の本質を解き明かしていると思う。農水省にいたときに農産物をめぐる国際交渉にかかわった経験やアメリカの食料戦略などの資料を駆使して、わかりやすく書いている▼「世界がぜんたい幸福にならないうちは/個人の幸福はあり得ない」という宮沢賢治の色紙を毎日見ている。この精神で今年もがんばりたい。

(昭)

(新聞「農民」2014.1.6付)
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2014年1月

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