14年産米
26万トン減の765万トン
13年産米
需給対策は議論せず
農水省食糧部会
「2014年産米の生産目標数量は前年比で26万トン減の765万トンとする」――農水省の食料・農業・農村政策審議会食糧部会は11月28日、農水省の諮問を了承しました。過剰基調により米価暴落が深刻化していますが、部会では当面する2013年産米の需給対策は議論すらされませんでした。
過去最大の削減幅
農水省は、今年6月までの過去1年間の需要実績が見通しを18万トン下回り、781万トンだったこと、来年6月末の民間在庫が過去最大の255万トンに達することなどから、26万トンという過去最大の削減幅の生産目標数量を示しました。
米は過剰とされていますが、政府備蓄米は100万トン備蓄の計画に対して5年以内の米は75万トンしかなく、25万トンの買い入れ余地があります。追加的な買い入れをするのかどうか、また、民間が自主的に進めようとしている市場隔離策に国がどうかかわり、需給と価格の安定に責任を果たすのかが問われていました。
しかし、農水省の需給対策は来年産の作付けを減らすことだけであることが明らかになりました。「主食用米等の需給見通し」の中に注意書きの形で「販売の見込みの立たなくなった主食用米が、加工用、飼料用等に販売されることが想定される」と他人事のように記されています。これは全農などによる市場隔離対策を指すものと見られますが、民間任せ、需給と価格の安定に背を向けた政府の姿を鮮明にしています。
会議の結果に、関係者の間で「これでは需給の締まりようがない」「国は何を考えているのか」などの落胆と怒りの声があがっています。
見直しに不安の声
部会では米政策の見直し問題に議論が集中し、生産者委員から「食糧部会で一度も議論されてない。『岩盤対策』といわれた補償はどこに行ったのか」「『攻めの農業』どころか国から農業者が攻められている思いだ」「飼料用米の種は確保できるのか」「流通や施設は?予算は?」などときびしい意見や不安の声が相次ぎました。
来年産から「戸別所得補償の額を半減し、5年後には廃止。生産目標数量の配分もやめる」との唐突な「改革」を進めながら、過去最大の減反は矛盾に満ちたものであり、現場の混乱は避けられそうもありません。
(新聞「農民」2013.12.16付)
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