「農民」記事データベース20131209-1097-15

本の紹介

日本科学者会議原子力問題研究会編
現在進行形の福島事故


科学者が原発事故の実態を検証
一般の人にわかりやすく解説

画像  高濃度の放射能汚染水の海洋流出が止まらない東京電力福島第一原発。その福島原発で起こっている事態を、さまざまな分野の科学者が検証し、一般の人にもわかりやすく共同執筆したブックレットが刊行されています。日本科学者会議原子力問題研究委員会が編集した「現在進行形の福島事故 事故調報告書を読む、事故現場のいま、新規性基準のねらい」です。

 本書は4章から成り、第1章「4つの事故調報告書の読み方」と、第2章「原子力規制委員会のねらいと新規制基準に脱落しているもの」は、元日本原子力研究所員で、核燃料化学が専門の舘野淳さんが執筆。

 第3章「いま私たち科学者が一番言いたいこと」では、原子力防災や、原発と活断層の問題、科学者の社会的責任など、原発に関する問題を8人の科学者が多面的に検証。汚染水問題についても、発電所と地下水の関係を長年にわたって研究してきた本島勲さんがわかりやすく解説し、解決へのヒントを提言しています。

 第4章「福島第一原発のいま」では、放射能対策と影響について、日本大学准教授の野口邦和さんが、事故収束と廃炉について前出の舘野さんが執筆しています。

 福島原発事故の真の収束と原発ゼロに向けて、ぜひ手に取りたい、タイムリーで、多彩な科学読み物となっています。

 ▼編集 日本科学者会議原子力問題研究委員会
 ▼出版社 本の泉社
 ▼定価 900円+税

(新聞「農民」2013.12.9付)
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2013年12月

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