税金
ワンポイント
源泉徴収税について
常時人を雇用して事業を経営している人が対象です。
1、所得税の納税者は誰かという問いに対しては、ほとんどの人が、「所得のある個人である」と答えるでしょう。しかし源泉所得税の納税者は誰かという問いに即答できますか?
源泉所得税の納税者とは法律の規定により、国税を収める義務がある者をいうと規定されています。
給与など源泉徴収の対象とされる所得の支払い者は、法人か個人にかかわらず、源泉徴収義務者になります。専従者給与を支払っている人も含みます。ただし、常時2人以下の家事使用人等に対して給与等や退職手当等、また税理士報酬などは源泉徴収する必要はありません。
今年(2013年)から現行の所得税に復興特別所得税が創設され、これにも源泉徴収制度が導入されています。
2、源泉徴収税額は「源泉徴収税額表」を使用して求めます。税額表には「甲表」と「乙表」とがありますが、「乙表」では、わずかな給与でも最低3%の源泉徴収をしなければなりません。
「甲表」では、月額8万8000円の給与までは源泉徴収税はかかりません。「甲表」を利用する方が有利です。ただし「甲表」の使用には、給与を受ける人から、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が必要です。
3、源泉徴収する時期は、給与を支払うときで、納付期限は、原則として給与を支払った月の翌月10日までとされています。ただし給与等の支給人数が常時10人未満である源泉徴収義務者には「納期の特例」があり、年2回にまとめて納付することができます。(1月から6月までの間に源泉徴収した所得税と復興特別所得税は7月10日までに、7月から12月までの分は翌年の1月20日とされています)
4、最近、大阪国税局管内で100人以上の農家を市役所の会議室に呼びつけて、源泉徴収していない給与の源泉徴収税を「乙表」に基づいて支払わせたという情報もあります。「源泉徴収義務違反」の調査を理由に消費税・所得税まで調査する危険もありますから注意しましょう。
詳しくは農民連の「確定申告の手びき」(47、48ページ)をご覧ください。
(税金対策部 坪井貞夫)
(新聞「農民」2013.12.9付)
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