来場1000人 大盛況!!
ふるさと産直みほん市2013
ご当地自慢の逸品ズラリ
“つながり”できた
参加者に大きな力もらった
「復興支援、日本列島3000キロ、産地がまるごとやってくる!」――。農民連ふるさとネットワーク、農民連、日本販売農業協同組合連合会(日販連)でつくる実行委員会は11月27日、東京都大田区の産業プラザで「ふるさと産直みほん市2013」を開き、出展者、来場者をあわせて約1000人の参加者が活発に商談や情報交換を行いました。
お互いに楽しく夢語る1日に
農水省・東京都・大田区東北4県・主婦連など後援
みほん市は、全国商工団体連合会(全商連)、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)が協賛。農水省、東京都、大田区、岩手・宮城・福島・山形4県、農業農協問題研究所、自治体問題研究所、主婦連合会が後援しました。
開会に先立ち、実行委員長の亀田俊英・福島県農民連会長があいさつ。汚染水問題など原発事故の不安が続くなか、福島県民の声を踏みにじった秘密保護法の委員会での採決強行を批判。TPP参加や減反廃止を進める自民党農政のもとで開く「みほん市」について、「日本列島3000キロの食べものが一堂に会し、交流するなかで、自然を生かした住みよい地域づくりが求められている。夢を語る一日にしよう」と呼びかけました。
被災地3県では復興へアピール
各ブースでは、いいにおいが立ち込め、来場者は「材料は?」「価格は?」などと質問しながら名刺交換する姿がみられました。
被災3県では復旧・復興に向けた努力をアピール。福島では、県産米でつくったかき餅、担い手づくりを兼ねるゆいまあるトマトジュースを紹介。岩手は、津波被害にあった三陸の漁業生産組合が参加し、海産物を出品。人と自然にやさしい農業をめざす工房地あぶら(一関市)はナタネ油を提案しました。宮城には県特産の米ササニシキと若手生産者によるハーブティーが並びました。
その土地特有の農産物にふれることができるのも、みほん市の魅力です。北海道の山わさび漬物、岩手のごんぼわさび、茨城のレンコンなどご当地野菜・果物は自慢の逸品です。各ブースで話がまとまり、宮城の温泉農協「農民の家」が沖縄パインの缶詰で成約。香川のトマトとアスパラガスも複数の成約があるなど関心を集めまし
た。
地元に伝わり、在来の種子を育てる伝統の農産物では、京都の九条ネギ、長野の白毛餅など。福岡の伊都国おなご米は、生産者の鬼木恵美子さんが駆けつけ、横浜の米屋さんと話がまとまり、2人で記念撮影。鬼木さんは、来年もヒノヒカリだけを考えていましたが、米屋さんからの「元気つくし」という銘柄米も扱いたいとの話に「がんばってつくります」と決意しました。
地元産をふんだんに使った加工品にも参加者は舌鼓を打ちました。群馬のギョーザは県産ニンニク、埼玉のギョーザは肉が古代豚、野菜が深谷ネギなど県産材料が詰まっています。
注目を集めた初の企画
農業用電気自動車、ウッドボイラー
副町長が先頭に非常食など宣伝
今回初めての企画、再生可能エネルギーのコーナーでは、福島・霊山や千葉・多古などの実践例をパネルなどで紹介。電気で走る農業用EV車が会場内を試験走行し関心を集めていました。薪でエネルギーをつくり出す島根のウッドボイラーには、多くの人が興味を示しました。
災害・防災用保存食・非常食コーナーでは、ふるさと納税日本一のまち・長野県阿南町から、おかゆやスープ、米などのレトルト加工品が出品され、勝野一成副町長自らアピールしました。町では農家の所得向上や雇用の確保をめざして加工事業を行っています。
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そろいのハッピ姿でアピールする長野県阿南町のブース |
勝野副町長は「行政が真剣になって農業の振興に取り組まないと中山間地はつぶれてしまいます。今日参加して、『これは非常食に使える』『工場を見学したい』などのつながりができました。農民連、日販連は農家のことを真剣に考えてくれています。みなさんに大きな力添えをもらい、次への希望ができました」と話していました。
就農や販売先の確保情報交換や商談も
全国農業会議所は新規就農相談コーナーを設け、幅広い年齢層から、売り先の確保などの相談が寄せられました。
最後に、千葉の豊富な野菜で飾られた「宝船」が解体され、参加者にプレゼントされました。
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野菜を満載した「宝船」の野菜も来場者へのおみやげに |
(新聞「農民」2013.12.9付)
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