巨費かかる原発は“不良債権”
原発ゼロノミクス考えるシンポ
東京・武蔵野
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)は11月16日、東京都武蔵野市でシンポジウム「どう計算しても原発は高い〜地域から始める原発ゼロノミクス〜」を開催しました。
250人が参加し、城南信用金庫の吉原毅理事長と静岡県湖西市の三上元市長が講演。小平、武蔵野、三鷹の3市の市民、一橋大学の学生による取り組みもそれぞれ紹介されました。
吉原さんは「経営者として考える原発ゼロノミクス」という題で講演。
「信用金庫はお金ではなく人を大切にする企業の金融部門として生まれた」と紹介。「原発は廃炉に巨額の費用がかかる。加えて、使用済み核燃料の処理費用も実際には処理できないので無限大のコストとなり、厳密に計算すれば明らかに大赤字。原発は将来性を全く考えない不良債権プロジェクト。アメリカの原発メーカーも採算に合わないと認めている」と話しました。
「今の日本は一部の人の目先の利益のために原発再稼働しようとしている」と批判し、城南信用金庫の取り組みとして、中小企業や個人がソーラーパネル取り付け時に金利ゼロで融資していることを紹介しました。また新聞各紙が再稼働に誘導する報道をしていることについて「世論誘導するのはもうやめましょう。事実を報道してください。利害関係ではなく未来のために長期的ビジョンに立った企業経営をしましょう」と訴えました。
三上さんは9・11テロがきっかけで原発ゼロを訴え始めたと紹介。「原発はテロの危険性を全く想定していない。核の地雷を埋めているようなものだ」と批判し、「廃炉や事故に備えた保険料、青森県六ヶ所村などのコストを加えると、原発はほかのどの発電よりも高いです」と説明。「国や電力会社は『事故は起きない』とうそを言い続けた。うその責任はいったい誰が取るのか」と指摘しました。
地元・武蔵野市の邑上守正市長と菅直人元首相(民主党衆院議員)もあいさつしました。
(新聞「農民」2013.12.2付)
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