茨城県農民連
女性部「ゆいの会」総会
田中正造の歴史と
ゆかりの地訪ねる
富弘美術館も見学
茨城農民連女性部「ゆいの会」は11月2日、2013年度総会と「田中正造の歴史を学ぶ」「富弘美術館見学」を行い、男性も含め30人が参加しました。総会は道中のバスの中で活動報告、各単組の取り組み報告と交流、活動方針の提案、新役員の選出を行いました。
最初の見学は、当時、農作物や魚に大きな被害を与えていた栃木県足尾銅山の鉱毒問題を繰り返し国会でとりあげ、渡良瀬川沿いの人々を救うため生涯にわたって努力した田中正造の歴史とゆかりの地を訪ねました。鉱毒事件は社会問題にまで広まりましたが解決せず、正造は鉱毒の治水ための渡良瀬川遊水地計画の反対運動に尽力し、遊水地の候補地である谷中村に移住し農民とともに村を守るためにたたかいました。
見学は、奈良達雄さん(古河市在住、歌人・田中正造を現代に活かす会代表委員)の案内で、谷中村が廃村になった渡良瀬遊水地、分骨地のひとつである田中霊祠(れいし)、正造の特別展示室のある佐野郷土博物館等を見学しました。
正造は「足尾銅山の操業をやめろ」「戦争は犯罪だ」「世界の軍備を全廃しろ」と時の明治政府に迫っていました。
「真の文明は山を荒さず川を荒さず村を破らず人を殺さざるべし」という言葉を残しています。この言葉は、いま、多くの人たちによって、震災からの復旧復興、原発廃止、そして日本の政治、経済、社会の道標として受け止められています。
昼食を終えて午後からは、群馬県みどり市にある富弘美術館の見学をしました。周辺が色づき始めた山々に囲まれたなかに美術館があり、一歩中に入ると、星野富弘さんの作品がやさしく迎え入れてくれました。生きる勇気や喜びを、何気ない毎日のなかから、自然に教えてくれ、心が癒されました。
(茨城農民連 大内 逸雄)
(新聞「農民」2013.11.25付)
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