「農民」記事データベース20131118-1094-18

旬の味


 ひこばえが青々と田一面に広がり、早苗を植えた後を思わせる。つるべ落としの秋の一日、農家は冬支度に忙しい。大根や柿が軒下に干され、まもなく雪の季節が近いことを知らせる▼この時期、各地で収穫祭が盛んだ。1世紀以上続く第136回秋田県種苗交換会が仙北市で開催され、数十万近い人でにぎわった。TPP、米価暴落等々、疲弊する農村にさらに追い打ちをかける緊迫したなかでの開催となった▼しかし、参加者は意外に明るい。自慢の農産物の品評会、優良種苗の情報交換で営農技術を磨く場だ。農と健康への感謝と希望、人間本来の生活、地域の経済、社会の土台である農業の発展を願った。農業たたきに抗し、農村に生きる誇りを取り戻したのではないか▼どの時代も食糧をもたない国は滅びるのが歴史だった。「食糧主権」という万国共通の理念を今こそ高々と掲げるときである。先人は、土に立つ者は倒れずと言った。悠然と農業に励もうと思う。国民を襲うアベの毒矢は放った者に逆に向かうだろう。

(長)

(新聞「農民」2013.11.18付)
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2013年11月

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