旬の味
ひっきりなしにやってくる台風にもみくちゃにされながら、10月が過ぎていった。嵐が過ぎるのを待って、近所の農家が軽トラいっぱいのくず米を持ってきてくれた。おかげで、鶏は人間より一足早く新米にあずかっている▼下伊那地域では急転直下、ルートが決まりリニア中央新幹線が現実味を帯び始めた。地元では立ち退き交渉や代替地の確保などに動き始めた地権者もいる▼笛吹市のリニア実験線を見に行った人の話によると、実験線の工事の際に線路の高架が田んぼを斜めに横切った地権者は、かかった部分しか補償されず、対角線上に三角形に残った部分は補償の対象外だといわれたという。また、近隣で井戸や沢が干上がるといった水枯れの被害も出ているそうだ▼原発3基から5基ともいわれる膨大な電力を消費してまで高速で移動する理由があるのだろうか。地元では、「リニアが来てくれてありがたい」といった話を露とも聞かない。この一大プロジェクトは、地元を置き去りにしてどこへ進むのか。 (よ)
(新聞「農民」2013.11.11付)
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[2013年11月]
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