「農民」記事データベース20131104-1092-10

旬の味


 10月中旬の埼玉県東部地域では、ほぼ稲刈りが終わった。田んぼを見ながらの朝の散歩は9カ月になった。親しくなった農家の方から、育苗、田起こし、苗代、田植え、草取り、収穫などその時々の稲の作り方や苦労話も聞いてきた。作り育てる喜び、誇りを何人もの農民から聞いた。今年の生産者米価が昨年よりも低いので、顔は暗い▼晴れた日には東の空から上がる太陽の光がオレンジ色から赤くなっていく様子が田んぼのあぜから見える。初日の出を見る思いだ。澄んだ空気、太陽の光。体いっぱいに浴びながら気分がすっきりする。顔見知りになった60歳代の女性からは「今日の朝焼けはきれいだったでしょう。早起きのごほうびです」と、自然の美しさを体験できる喜びを教えてくれた▼耕作放棄の田んぼが所々にある。心が痛む。復活させたいと思うが、簡単にはいかないだろう。美しい田園風景は貴重な国民の財産だ。孫子の代まで残してもらいたい。そういう思いを胸に秘めて今日も田んぼの見回りだ。

(昭)

(新聞「農民」2013.11.4付)
ライン

2013年11月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2013, 農民運動全国連合会