「農民」記事データベース20131104-1092-06

築地市場を守ろう!

パレード第2弾を呼びかけ


市場移転はTPP対応の拠点づくり

 新市場建設の入札を都が公告

 9月7日に行われた「守ろう!築地市場9・7パレード」は、新聞「農民」をはじめ、しんぶん赤旗や日本農業新聞、東京新聞、朝日新聞、日刊食糧新聞など業界紙をはじめ、インターネット中継されるなど、大きく注目されました。

 9月30日に東京都が豊洲市場建設のための入札を公告したことで、移転問題は新たな段階を迎えています。

 この事態を受け、運動の継続をめざし、11月9日に第2弾のパレードの準備が始まりました。

 築地市場が移転する豊洲の東京ガス工場跡地は、環境基準の4万3000倍の発がん性物質ベンゼンなど有害物質の存在や、盛り土による年間42センチもの地盤沈下の発生など、新たなデータも明らかになりました。その上、2011年3月の東日本大震災では100カ所以上で液状化現象が確認されました。

 このような有害物質に汚染され、不安定な地盤の上に生鮮食品を扱う卸売市場の移転を認めるわけにはいきません。

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鮮魚が並ぶ築地市場

 業者と労働者を数千人リストラ

 市場関係者に示された移転計画では、使用料の値上げをはじめ、移転を契機に中小業者の切り捨ても狙われています。全労連・全国一般東京地本・東京中央市場労働組合は、中小業者とそこで働く労働者合わせて数千人のリストラだとの試算を発表しています。

 今まで築き上げてきた「築地ブランド」や、築地市場や「場外市場」に支えられていた地域の商店街も影響を受けます。

流通を大型化・一極集中化
一方で地方卸売市場を廃止

 さらに、配置図などから読みとれるのは、大量に輸入される水産物を市場内の加工施設で加工し、大手水産会社を通じて海外に輸出すると同時に、関東一円をカバーする大手量販店の流通センターとしての機能も備えようとしているなど、TPP対応の拠点市場づくりと言えます。

 東日本大震災の教訓を生かせ

 一方、東京都は、第8次卸売市場整備計画の基準に沿って、07年4月に三鷹地方卸売市場を廃止。その後11年4月に小平、12年3月に福生、13年9月に昭島と次々に地方卸市場を廃止しました。これら地方市場廃止は、地域の農業生産と生鮮品を扱う小売店に打撃を与えています。また、こうした動きは、千葉県や神奈川県など、既存の市場経営への影響も無視できないでしょう。

 さらに、こうした流通の大型化・一極集中は、首都直下型や南海トラフなど巨大地震が予測されるなか、東日本大震災の教訓からも明らかなように、そのもろさや危険性は明らかです。

 築地での再整備求め運動強化を

 もともと、東京都は1988年に現在地再整備を計画し、91年には、勝どき門の右側に、約400億円で立体駐車場の整備に着手しました。ところが都は、財政難を理由に再整備計画を途中で投げ出しました。

 その後、99年に石原前都知事が築地市場を視察し、「老朽化で危険」と発言。豊洲移転が急展開し、汚染されている東京ガスの工場跡地の購入費や、汚染対策費が都議会で可決され、執行されました。

 しかし、現在、都市の膨張は止まり、人口は減少に向かい、取扱量も減少傾向が続いています。さまざまな問題を抱える豊洲移転を撤回し、世界に誇る「築地ブランド」を生かした現在地再整備を求め、さらに運動を強化しましょう。

 守ろう!築地市場11・9パレード
 ▼11月9日(土)
 各団体のリレートーク正午〜12時45分築地市場厚生会館前 パレード出発 午後1時〜 厚生会館→築地正門→農水省→国会(予定)

(新聞「農民」2013.11.4付)
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2013年11月

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