農地の線量の実態を調査せよ
福島県農民連浜通り農民連
「東電賠償」で農水省交渉
福島県農民連と福島県浜通り農民連は、10月9日、農林水産省で東電への賠償問題に関する交渉を行いました。
農民連は(1)農地1筆ごとに放射能の実測を経年的に行い、土壌汚染マップを作ること、(2)農家が導入した土壌放射線測定器の費用を賠償するよう、東電へ指導すること、(3)漁網・漁具の賠償基準を早急に決め、早期の賠償に応じるよう東京電力を指導すること―の3項目を農水省に申し入れました。
農水省は「空間線量測定の結果は平均で基準値以下であると出ており、これ以上追加の検査を行う予定はない」と回答。それに対し、農民連は実測した写真を示しながら、「線量は敷地内でもそれぞれ異なっている。福島の農地の再興のためには安心して営農できる農地、暮らせる宅地であるという確信が必要。その安心を担保するためには、実際に調べることが不可欠だ。一筆ごとの検査が行えないのであれば、検査機器の費用の賠償を再び認めるよう、東電に指導してほしい」と訴えました。
農水省の担当者も「福島の農業を復興させるという思いは同じです」と述べ、東電の担当者に確認して対応すると約束しました。
また今回は相馬双葉漁業協同組合請戸ホッキ会の志賀勝明会長も同席し、いっこうに進まない漁具への賠償を早期に進めるよう要求。水産庁も「原発事故による損害は、原則すべて賠償の対象となると考えているし、東電にも適宜伝えている。99%賠償は終了していると聞いている」と回答。志賀会長は「現場では3カ月ごとの賠償で、とても99%という状況ではない。早急に調査し、対応してほしい」と訴えました。
(新聞「農民」2013.11.4付)
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