米業者が外国産米を偽装販売
イオン、ダイエー 国産米弁当に利用
弁当・おにぎりなど4477万食分
関連/台風被害に万全な救済を
イオン、ダイエーの店舗などで販売された「国産米使用」の弁当、おにぎり類に外国産米や加工用米が不正に利用されていました。その数はわかっただけでも4386トン、弁当やおにぎりなどの食数にして4477万食に及び、過去最大の偽装事件になろうとしています。
三重県内の米業者三瀧商事(株)など6業者は中国産やアメリカ産などの外国産米や用途の限定された加工用米を不正に利用し、「国産米」として弁当類などの製造業者向けに販売していたというもの。農水省や三重県は「少なくても3年前から」としていますが、「偽装に手を染めたのは2005年から」との見方もあり、悪質な行為が長年放置されていたとしたら重大です。
徹底的に解明を
超大手の量販店・イオングループで販売されていたことの社会的な影響も甚大です。消費者の外食離れや米離れが懸念されます。まじめに事業を営む米業者へ「DNA鑑定を求める」などのしわ寄せも始まっています。当局は事件の全容を徹底的に解明し公表すべきです。また、納入業者への圧力や買いたたきがなかったかどうかも明らかにすべきです。
市場原理を優先し、激しい価格競争と「安ければ安いほど良い」とする流通のあり方も大きく問われています。
国民が望まないにもかかわらず輸入される、ミニマムアクセス(MA)米の存在も偽装の温床になっています。昨年度は10万トンも主食用向けに輸入されましたが、「外国産」を名乗っての販売はまれであり、その多くは外食などで利用されているとみられます。
TPPに参加ともなれば、政府自身が「国産米の32%が外国産米に置き換わる」と試算しているほどで、「いつでも、どこでも安全な国産米を食べたい」という国民の願いも危ういことになりかねません。
(農民連ふるさとネットワーク 横山昭三)
福井県農民連が県に要請
被災農家が実態を訴える
福井県農民連は10月10日、玉村正夫会長と被災した農家ら4人が県庁を訪れ、西川一誠知事に対し、9月16日に発生した台風18号による県嶺南地域一帯の農業被害に対し、被災地調査をもとに要望書を提出しました。
要望書では(1)「激甚災害指定」を受けた場合でも財政的な負担が被災農家に及ばないよう、県費等の補助を行うこと(2)水田への冠水で泥をかぶった稲は収穫できないので、農業共済による全面的な救済の対象になるよう各方面に強く働きかけること(3)稲作への甚大な被害は河川の堤防決壊が最大の原因。堤防決壊の原因究明とともに堤防の強化策を講ずること――等を求めました。
直接被害にあった農家は「泥をかぶった稲の刈り取りで、コンバインが壊れ、泥煙により作業が困難になっている。収穫しても品質検査で等外となり売り物にならない」と実態を訴えました。
応対した中村保博農林水産部長は「水稲被害額の査定を早くやるよう関係機関に求めている」と述べ、被害補償があっても収量の7割にとどまることから、「個人には200万円、生産組織には500万円まで5年償還の無利子貸し付けを行う」と答えました。
これに対し、県農民連は、「県が管理する河川堤防決壊によって、大きな被害をもたらした。被災農家の立場での対応を」と要請しました。
(新聞「農民」2013.10.28付)
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