農民連
全国代表者会議ひらく
農民連は9月26日、都内で全国代表者会議を開き、32道府県・2団体の代表73人が参加し、TPP交渉阻止のたたかいをさらに広げ、多様な要求を取り上げながら、この秋に会員と読者の拡大を前進させる決意を固め合いました。
TPP反対 広がる内外の声
がんばれば阻止できる
暴走をつづける安倍政権を批判
白石淳一会長があいさつし、「秋の農作業真っただ中での開催だが、この時期のたたかいがTPP交渉の行方を左右する」と指摘。7月のTPP参加強行以来、暴走を続ける安倍政権を批判するとともに、一方で大学教員、弁護士、文化人などのネットワークの広がり、9月14日に開かれたシンポジウムの成功など、TPPに反対する共同の発展を強調しました。
そのうえで「農業、食料を守るためにも農民連の組織を拡大する必要がある。全国の英知でたたかう方針を練り上げ、秋の拡大運動を成功させよう」と呼びかけました。
真嶋良孝副会長がTPPをめぐる情勢について報告。交渉の年内妥結を急ぎ、秘密裏に交渉を続ける日米両政府を批判しました。
また、交渉分野の多くで対立が深まっていることを指摘し、日本政府がアメリカの“腰巾着(こしぎんちゃく)”になって、事前協議で譲歩に譲歩を重ね、アメリカは交渉参加国に次々と最悪の提案を押しつけている点を批判。「追いつめられているのはアメリカと日本。阻止できる展望は大いにある。国内の運動を強めるとともに国際的な連携も追求したい」と述べました。
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会員と読者拡大の前進を誓い合った全国代表者会議 |
会員・読者拡大強化期間を提起
笹渡義夫事務局長が常任委員会の報告を行いました。
参院選後の政治情勢について、安倍内閣がTPP交渉参加を強行し、憲法が禁じる「集団的自衛権」を容認する動きを加速させ、消費税増税などの悪政を暴走させていると指摘しました。
TPPについては、「危険水域に入った重大な側面とともに、交渉を通して矛盾が深化している側面をしっかりみながら、たたかいを強化して政府を追い詰めることが重要だ」と強調。交渉からの撤退を要求する世論と行動を組織し、政府に圧力をかけるとともに、国会批准を阻止することも視野に入れたたたかいの構築、国民の関心の高まりに応えた宣伝、学習の強化、「秘密主義」の徹底した暴露などの運動方向を提起しました。
さらに原発ゼロ、消費税増税阻止、憲法改悪反対など安倍暴走政治とのたたかいの重要性を強調しました。
地域に農民連あってこそ運動が発展
多様な要求結集し組織づくり飛躍へ
「地域に農民連がなければたたかえない」という機運が広がっている今、安倍暴走政治への国民・農民の不安や怒りを結集し、農民連の組織づくりを大きく前進させるときだとして、10月1日から年末までを「会員と読者拡大の強化期間」として、拡大運動に取り組むことを呼びかけました。
農民連ふるさとネットワークの横山昭三事務局次長が米をめぐる情勢について報告しました。
「米価暴落、異常気象、等級落ちの三重苦の中で米農家は米作りが続けられない事態にあり、市場任せの米政策に最大の要因がある」と指摘。「備蓄米の不足分25万トンを買い入れ、需給の安定に国が責任を果たすとともに、米価要求のたたかいと合わせて、産地と米屋を結ぶ準産直米の取り組みを広げよう」と訴えました。
各地のたたかい生き生きと…
討論では、各地のたたかいや組織拡大の取り組みが生き生きと語られました。
TPP阻止のたたかいでは、京都府連の安田政教書記長が、全府規模の府民集会を開くとともに、地域でのネットワーク作りを広げていることを報告。「地域に農民連があることが、反対運動を広げ、阻止の大きな力になる」と述べました。
その他、大阪、新潟、青森、北海道、群馬、埼玉などの代表が、TPPを阻止する草の根の運動の発展と共同の広がりを語りました。
要求運動と結びついた組織拡大の経験では、岩手県連の久保田彰孝会長が、備蓄米の取り扱いを集落営農組織に呼びかけ、今では8000袋を扱うなかで、8人が農民組合に加入したことを報告。さらに、TPPの学習会を開き、「参加してよかった。がんばれば阻止できる展望がみえてきた」との感想が寄せられたことを紹介し、みんなで集まる機会をもつ重要性を語りました。
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各地の生き生きした取り組みを交流しました |
取り組みの中で新会員を迎えた
宮崎県連の来住誠太郎書記長は、免税軽油の取り組みのなかで、46人を会員に迎え、550人の目標を達成したことを報告。「厳しい農業情勢に加え、燃料の高騰が背景にある。免税軽油への参加を呼びかけるチラシを新聞折り込みで配布した。事務処理がたいへんなので、農家には日誌をきちんとつけるよう指導し、県連がエクセルで処理することにしている」と述べました。
愛知県連の本多正一事務局長は、県連の若手職員が税金相談のなかで新会員を迎え、新会員がさらに知り合いを相談会に誘って、4月以降も新しく仲間を迎えている経験を報告。「税金相談で仲間を増やそう」と相談員養成講座を毎月開いていることを紹介しました。
地域農業を守るために、青年、後継者対策も切実です。奈良県連の森本吉秀副会長は「10年前から新規就農者への支援を行ってきた。今では県庁からも受け入れの相談がくる。研修・指導のほかバーベキューを囲んで悩みを出し合うなど、交流・相談会も開いている」と語りました。
(新聞「農民」2013.10.7付)
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