旬の味
宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」を見ました。これまでのジブリ作品の中でも、より洗練されたおとなのアニメです。風の描写がすばらしく、身体の内外を風が吹き抜けていき、心洗われました。堀辰雄の小説「風立ちぬ(生きめやも)」(風立ちぬ 凪(なぎ)を待たずに生きねば)が全編をつなぐメッセージです▼実在の人、ゼロ戦の設計者の堀越二郎が主人公。夢の中で特攻機の残がいの中を一人歩く二郎。でも、戦争と戦争協力を責め立てる映画ではないのです。「なぜ?」▼「宮崎駿さんは何が言いたいの?」と数日考えた私の結論はこうです。「福島原発事故の最中にあって、国民は等しく、加害の周辺にいる。加害の黙認か、傍観かも含めて加害の協力者である。そこにあって、加害の、または被害の、どの位置にいようとも、『何があろうと、何が起ころうと、生きねばならない!』という人間賛歌、今を生きる私たちへの応援歌」を読み取りました▼若い人がたくさん見に来ていましたが、「どんな感想をもったのかなぁ」。 (風)
(新聞「農民」2013.9.23付)
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[2013年9月]
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