旬の味
いよいよ稲刈りシーズン到来。米作り農民が一番輝くときだ。刈り取り間近の田んぼに立ち、秋風に揺れる重く垂れた稲穂を見ているとなんとなく敬けんな気持ちになる▼遅かった雪消え、育苗初期のまさかの低温、突風、ゲリラ豪雨など思いもよらない異常気象のなか、よくぞ実ってくれたものだ。稲の生命力に感謝。しかし、これまで経験したことがない災害で尊い命をなくしたり、丹精込めた農作物が一瞬のうちに流失した農家が続出したことに胸が痛む▼自然は時には人を助けるが、牙を向けるときもある。毎年違う天候を相手に物をつくる難しさを改めて思う。百姓は毎年1年生といわれるゆえんだろう。それだけに新たな挑戦も楽しみの一つである▼近くに間もなく90歳になる一人暮らしのブドウ農家ががんばっている。昨年、豪雪で倒壊した棚を再建し、新品種の苗木も植えた。この元気はどこから来るのだろう。収穫期の今、出荷に毎日汗を流している。本紙をよく読んでいるという。見習いたい農民像だ。 (長)
(新聞「農民」2013.9.16付)
|
[2013年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2013, 農民運動全国連合会