“福島の食”の安全・安心求めて
首都圏の消費者
生産者・学生と交流
学習・交流
「食と放射能」理解深めよう
福島県生活協同組合連合会は8月30、31の両日、「福島の生産・流通現場の視察&生産者交流パート1」を主催し、首都圏からの参加者が福島の生産者や学生と交流しました。
首都圏の参加者は、30日朝に東京駅を出発し、バスで福島に向かいました。福島市内に到着後、学習交流プログラム「“福島の食”の安心の今」「土壌、農産物および食品中の放射性物質の把握と対策」に参加しました。
はじめに、主催者の一人、福島大学経済経営学類の小山良太准教授が、「震災からの復興に取り組んでいる福島で、生産者と消費者が食と放射能について意見交換し、理解を深めることが必要です」とあいさつしました。
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学習プログラムであいさつする小山准教授(右)と学生たち |
福島大学うつくしまふくしま未来支援センターの石井秀樹特任准教授が報告し、安心して住める福島を取り戻すための活動として、「環境内・土壌内・植物内の放射性セシウムの性質を解明しながら、『生産段階』と『検査段階』の対策を総合的に組み合わせて、農作物の放射能を減らす」取り組みを紹介しました。
福島産丸ごと味わって
街なかマルシェ
おいしい新鮮な味覚にお客さんが戻ってきた!
その後、参加者は、市内の広場で開かれていた「街なかマルシェ」に合流。福島大学の小山ゼミナール(マルシェ・エフ)と、うつくしまふくしま未来支援センターが県の「消費者と生産者等の理解・交流促進事業」の一環として主催したものです。
マルシェ・エフの針生弘実さん(3年)は、「学生やサラリーマンなど関心がないと思われる人たちがターゲットです。飲み屋や駅前などでチラシをまいてお知らせしました。ここで楽しく交流して情報を知ったうえで判断し、福島のおいしいものを味わってほしい」と目的を説明します。
県内の生産者やグループ、直売所などが出店し、福島産の食材を使った加工品や特産物をアピールしました。
産直センターふくしまの直売所「産直カフェ」も31日に出店し、桑折の桃や萱場の梨が店頭に並びました。店長の赤間初江さんは「震災直後はお客さんも減りましたが、震災を機に安全・安心を追求した福島の農産物のおいしさを再認識しました。再びお客さんが戻ってきたのを実感します。おいしさと新鮮さをぜひ味わってほしい」と訴えました。
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新鮮でおいしい農産物がズラリ。中央は産直カフェ店長の赤間さん |
参加者は、マルシェの朝市に参加後、JA新ふくしまの直売所や米の全袋検査のようすなどを見学し、帰京しました。
横浜市から参加した生協職員の女性(46)は「生産者と一緒に福島の復興に取り組む姿は頼もしいですね。他県の消費者は福島産にまだ不安をもっている人もいます。みなさんの努力をこちらも受け止めていかなければなりません。福島の生産者とも意識を共有できたよい機会でした」と語っていました。
(新聞「農民」2013.9.16付)
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