技術開発、販売・流通など支援
有機農業推進小委員会が発足
消費者との連携が重要
基本方針の見直しに
大いに意見の集中を
8月21日、農水省の食料・農業・農村政策審議会・企画部会に、有機農業推進法に基づき「基本方針の見直し」を検討する「有機農業を推進する小委員会」が発足し、部会長には蔦谷栄一・農林中金総研特別理事が選任されました。
若い担い手が増加
同委員会に提出された農水省の資料によれば、現在、有機JAS農家は1万2000戸で全農家の0・5%。農地面積は1・6万ヘクタールです。
担い手も少しずつ増加しています。特に平均43歳と、若い人たちの新規参入が特徴的です。
有機農業推進法施行後、技術実証、新人への支援、JAS生産物の直売、技術開発推進、有機農業の推進体制、販売、流通、消費体制の確保など、必要な支援も行っています。
プロジェクト研究では、りんご有機栽培実践園での病害虫発生抑制の機構解明など開発に努力しています。
アメリカの要求阻止も
こうした支援策を進める一方、安倍内閣は、TPP加盟を前提とした2国間交渉でアメリカから、3000種類もの食品添加物の使用を迫られています。
オキシテトラサイクリン等の抗生物質、ニトロフラン等の合成抗菌剤、ゼラノールなどのホルモン剤もあり、特に養殖魚は密飼いが問題です。
また、地球温暖化により、アフラトキシンなどカビ毒の発生が多くなっています。カビ毒は発がん性があるので注意が必要です。
アメリカ政府は、ポテトフライは火を通すので大腸菌がいても大丈夫だなどとも言っています。
食の安全を守る上でも、アメリカの要求は断固阻止しましょう。
直売所の3割が扱う
消費者が大きな関心をもつ有機農業を推進する上で、消費者との連携が重要です。
今、直売所は全国に1万6800カ所ありますが、有機農産物を扱っているのは3割程度と、有機農業への理解が進む一方、購入機会を得られない消費者が多くいます。
率直な交流を通じて、地域特性を生かした有機農産物の生産を増やし、学校給食や日本の食卓を有機農産物で飾れる生産像が望める新たな「基本方針」が策定されるよう、審議内容を注視し、10月に予定される「パブリックコメント」には大いに意見を表明しましょう。
(農民連本部 石黒昌孝)
(新聞「農民」2013.9.16付)
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