「農民」記事データベース20130909-1084-10

旬の味


 暑さで下がった産卵率が戻らず、わが家の卵の必要量と供給量のバランスは、ここ2週間きわどい線をたどっている。そろそろ、暑さ対策のできる新しい鶏舎へ建て替えが必要かもしれない▼両親が20年前に建てた鶏舎は、近年の酷暑に対応できない。家の中も連日30度を超え、クーラーのない生活は忍耐力を試される。軒下のスズメバチも暑さの余り、幼虫を残して巣を放棄した▼家の近くの田んぼは、もう稲に穂が入った。風が吹くたび、お米のにおいがあたりをかける。今年は豊作だろう。私の住む阿南町は今年、ふるさと納税に税額相当分のお米を付けると発表して、全国からの問い合わせが殺到している。3万円のふるさと納税で、阿南町産の精米60キロが届くというのだから、かなりお得だ▼米は町が市場価格に上乗せした額で町内の農家から買い付ける。農地の荒廃を防ぐことが目的で、町自体にもうけは出ない。農家の生活が、農業で成り立つということが当たり前になるようにこの取り組みの成功を願っている。

(よ)

(新聞「農民」2013.9.9付)
ライン

2013年9月

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