「農民」記事データベース20130909-1084-09

島根県の豪雨被害

刈り取り直前の水稲襲う

県農民連など
全員に見舞金届け激励


 8月24日早朝、稲刈り直前の田んぼを豪雨が襲い、島根県西部の浜田市や江津市、邑南町で、あぜや土手の崩落、土砂の流入や用水路の陥没など甚大な被害が出ました。「邑南町だけで被害は600カ所にのぼるのでは」と町農林振興課長は指摘しています。

 邑南農民センターの役員は直後から会員の被害の把握と激励に回り、島根県農民連も26日、長谷川敏郎会長が江津市や浜田市に入り、会員訪問と農民連本部の見舞いを届け激励しました。

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土砂の流入や用水路の陥没など大きな被害がでました(邑南町)

 江津市では、「いいところに来てくれた。離れた田んぼが土砂に埋まった。来年からやめようと思う。ところが92歳の年寄りが納得せず、軽トラが入らないのでハデ(はざ掛け用の長い竹)を肩に担いで何百メートルも運んでいきよる」と話していました。

 米価の低迷やTPPの話で農家の気が沈んでいるなかでの災害は、一気に離農に拍車をかける事態を招きます。邑南町農林課長も町内の一番被害がひどい日貫(ひぬい)地区で「都会の子どもさんから災害を機に年寄りに米作りをやめさせてなどの電話がある」といいます。

 今回の1時間当たりの雨量は30年前の「山陰豪雨」を上回っています。

 邑南町高原地区の棚田で野菜や米作りにがんばっている会員は「ここは地すべり地帯。朝の見回りで大丈夫だったあぜが後でまた崩れた。でも収穫直前で水を落としていたので被害を最小限に止めたと思う。集落で16カ所の被害だ」と話しました。

 邑南センターの青年部長は3ヘクタールの大根の種まき直前のほ場が大規模な土砂流出に見舞われました。「天気になれば一からやり直しだ。でも『高市大根』を楽しみにしている消費者がいるからがんばらねば」とユンボで土を戻す作業に取りかかっています。

 全国各地から被害を心配し多くの電話がありました。県農民連ではこの声にこたえ準産直米の取り組みを広げ、作った人の顔と苦労のみえる取り組みを強めようとがんばっています。

(新聞「農民」2013.9.9付)
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2013年9月

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