米価大暴落・TPP交渉参加の中…こういう時こそ深い信頼関係を
米屋さんと生産者をつなぐ交流会
米価下落、TTP交渉参加問題など農政が激動するなか、「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」東京会場が8月25日、台東区民会館で行われ16都道県から米業者や生産者約150人が参加し、交流を深めました。 |
会場がいっぱいになった交流会 |
さらに「TPPに参加すれば農業、なかでも米が大きな打撃を受ける。TPP交渉から撤退すべきだ」と述べ、「激動する情勢のもとでこそ生産者と米屋さんが手をつないでいくことが求められている」と語りました。
来賓あいさつとして、日本米穀小売商業組合連合会の長谷部喜通理事長は「インターネット販売が増えるなど、流通が大きく変わった」と指摘。「小売店は安売り競争では対抗できない。生産者が一生懸命に作った米を消費者に高く買ってもらうため、小売店も努力するが、同時に多収穫米のような業務用向けの米作りもお願いしたい」と述べ、「生産者と米屋が時代に沿ったつき合いを広げ、信頼関係を築こう」と呼びかけました。
東京山手食糧販売協同組合の船木良雄常務理事は「生産地と消費地との間にギャップがあるように思うが、こうした集まりはギャップを埋めるいい機会になる」と語り、「今年は豊作基調といわれ、概算金(JAの農家からの買入価格)も全農の相対価格も安値でスタートしている。こうしたなかでも卸業者は米を小売店に安定供給する義務がある」と述べ、理解を求めました。
斎藤氏はアメリカの新聞「ジャパン・タイムズ」の「(原発事故から)2年が経って…福島の避難者は公正な扱いと普通の生活を求めている」とする見出しを紹介し、「今の福島県民の心情をもっともよく表している」と述べました。
また、福島県二本松市の18歳以下の内部被ばく調査を行ったところ、96・5%で放射性セシウムが不検出だったという新聞報道と、呼吸による内部被ばくは1年間に0・12マイクロシーベルトで食品の安全基準値よりもかなり低いとする記事を示しながら、「原発事故の問題を放射線量の問題だけにわい小化すべきではない」と強調し、心理的被害をはじめ、産業・自治体経済の被害など、複合的に、大きく事故の構図を捉えることが重要だと語りました。
「今年は豊作です」と述べる関東ネットの代表 |
続いて米屋さんと生産者が個別に交流する時間が設けられ、各所で活発に意見交換が行われました。最後にふるさとネットの鈴木弥弘理事が「厳しい生産の現場と流通の状況にあるが、手を携えて米作りや販売にがんばりましょう」と閉会のあいさつをしました。
長野県佐久市から参加した清水紀久夫さんは「こちらの情報提供もできて有意義でした。ごろべい米を作っており、品質には自信がありますが、食べてもらわないことには理解してもらえません。今日の交流会を生かして販売につながればいいですね」と話していました。
千葉県市川市から来た米屋さん、久根崎純義さんは「原発事故の問題はわからないことが多かったのですが、斎藤医師の講演を聞いて、だいぶ疑問が晴れました。お客さんにも説明したいと思います。雨と暑さで産地の状況が心配でしたが、出来が全体的によさそうなので安心しました」と述べていました。
[2013年9月]
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