憲法くらしTPP原発ゼロ女性の力で世界を変えよう第59回日本母親大会
第59回日本母親大会が8月24、25の両日に開催され、全国からのべ1万2700人が集いました。1日目は千葉市の幕張メッセで全体会が、2日目は東京都内5カ所に分かれて35の分科会(特別企画、見学分散会を含む)が開かれました。 全体会の舞台と会場の壁面には、1万5800枚の要求シールで作られた巨大なタペストリーが飾られ、全国からの参加者が会場を埋め尽くしました。 法律試験の受験指導校「伊藤塾」の塾長で、「日本国憲法の伝道師」として講演・執筆活動に取り組んでいる伊藤真さんが、「憲法のいきづく国に――私たちに求められるものは」をテーマに記念講演しました。伊藤さんは、「日本国憲法の伝道師として譲れないのは、人間は戦争をしてはいけないということです。人の命を道具にする戦争は、決して許すことができない」と述べ、日本国憲法の内容や役割をわかりやすく説明しました。 さまざまな分野や団体の運動を交流する「今日の運動」には、農民連女性部のお母さんたちも登壇。東日本大震災の被災地、宮城県の肉牛農家の菅原栄子さんは、飼料にしていた稲ワラが放射能汚染にあった経験を報告し、福島県の渡部チイ子さんはいまなお避難生活を強いられている浜通りの現状を話し、「まだ原発事故は収束などしていません。それなのに原発を再稼働させ、海外に輸出までしようとしている自民党政府の姿勢は決して許せません。たたかい続けます」と訴え、会場が割れるような拍手に包まれました。 また千葉県女性部も「TPP絶対反対!」のプラカードを持って登壇。小島朋子さんが「国民世論を無視してTPP交渉への参加を強行した自民党政権に、怒りでいっぱいです。でもたたかいはこれから。私たちはその先頭にたってがんばります」と、元気に決意を述べました。
アメリカのルール押し付けはダメTPP参加に反対!2日目の分科会では、東京大学教授の鈴木宣弘さんを助言者に迎えた「TPPに参加するとどうなるの?――くらしの主人公は私たち」の分科会のほか、「サルでもわかるTPP」の著書で知られる安田美絵さんを助言者に、「映画『フードインク』を見て、食の安全について考える」という特別企画も開かれ、どちらも場内は満員の大盛況でした。TPPの分科会では、最初に鈴木教授が問題提起を兼ねて講演しました。鈴木教授は22日からブルネイで始まったTPP交渉や、かんぽ生命とアメリカの保険会社アフラックとの業務提携などのニュースに触れながら、政府や官僚、マスコミ、財界が一体になって流し続けているウソの数々を暴露。 さらに官僚の情報隠しなどの裏情報までユーモアを交えて披露し、「TPPは人口の1%しかいない巨大企業と富裕層の利益を守ろうとするもので、日米国民のためにならない」「“対等な競争”の名のもとに、地方自治も、医療も崩壊させられる」と、熱く語りました。 質問や討論も白熱しました。 「聞けば聞くほどTPPは一つもいいことがない。10年後の日本の状態に、誰が責任をとるのか。なぜこんなにアメリカいいなりなのか。安保条約の経済条項のせいか」(岐阜県) 「わが家は専業農家だが、種子は毎年、タキイなどの一代雑種(F1)を買っている。もしタキイがモンサントに買収されてしまったら、日本の農業はどうなるのか」(三重県) 「TPPの内容を知らない人が多い。正しい情報をどうやって知り、伝えたらいいか」(静岡県ほか多数) 鈴木教授は、「世界を変えるのは女性である、と思います。今の政治や社会のリーダーたちの“今だけ、金だけ、自分だけ”という姿勢を変えるため、今こそ女性・母親の皆さんの底力を発揮するときです!」と、改めて呼びかけ、会場のお母さんたちも割れんばかりの拍手で応えました。
最後に、「あらゆる分野にアメリカのルールを押し付けるTPP参加に反対します」として具体策を盛り込んだ6項目からなる申し合わせ文書を満場の拍手で採択し、終了しました。
農村のお母さん交流会夜には「農村のお母さん交流会」。参加者全員が自己紹介をかねてひとことスピーチをしたほか、茨城県の坂信代さんがマジックを披露。おひねりも飛び出し、大喝さいを浴びていました。
(新聞「農民」2013.9.9付)
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[2013年9月]
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