「農民」記事データベース20130902-1083-02

TPP交渉から即時脱退を

衆参両院農水委員長、内閣府に
大学教員の会が要望

関連/TPP阻止へ農民組合作ろう


国会へ報告、国民にも知らせよ

 TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会は8月20日、国会内で記者会見を行い、TPPに関わる要望書を衆参両農水委員会と内閣府に提出し、衆参両農水委員長と面会したことを明らかにしました。会見には、醍醐聰・東大名誉教授、大西広・慶應義塾大学教授、鈴木宣弘・東大教授、楜沢能生・早稲田大学教授の4氏が出席しました。

 冒頭、醍醐名誉教授は会見前に内閣府を訪れ、TPP交渉からの即時脱退を求める要望書を提出したことを報告。「TPP交渉はアメリカと内外の一握りの多国籍企業に日本国民の利益を売り渡す屈辱的な壊国交渉だ」と述べました。

 さらに、政府が守秘協定に署名したことを理由に、交渉経過を明らかにすることを拒否している点を批判し、交渉により収集した情報を政府は国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行うよう決議していることを指摘しました。

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会見する大学教員の会

 衆参両農水委員長との面会では、両委員長はマレーシアとベトナムの対応に注目していると紹介。マレーシアは、知的財産権の分野で、特許期間の延長などアメリカから求められれば簡単にはイエスとは言えないとの認識を示し、ベトナムは、アメリカが「ベトナムの公共部門が競争を阻害している」と自由貿易的な主張をしてくれば簡単に飲むことはないと考えていると説明しました。

 続いて、大西教授は、衆参両農水委員長が「交渉が行きづまり、国会批准前に協定がまとまらなくなるのがベスト」と考えている点を紹介しました。

 法社会学・農業法学が専門の楜沢教授は、TPPPによって耕作者主義を理念に掲げる農地法に対して集中的に攻撃が加えられることに懸念を表明しました。

 鈴木教授は、「対米従属で日本を売りとばしていいのか」と問いかけ、「TPPに対する政治家の姿勢も問われる。国民全体の反対のうねりをつくるために正しい情報をメディアは伝えてほしい」と呼びかけました。


TPP阻止へ農民組合作ろう

岐阜・中津川 準備会結成、活動強化

 隣の恵那市にも呼びかけ合流

 8月5日に岐阜県中津川市に集まった6人は農民組合(準備会)の結成を決めました。名称は「恵那・中津川農民組合(準)」とし、三役を互選しました。

 林弥兵さん(酪農家、中津川市)は、JAひがしみの総代会でTPP反対を主張しましたが、たった一人の発言に「これではダメだ。もっと声をだす人を広げなくては」と思いました。

 そのとき、県食健連から「TPPについてのシンポジウムで酪農の現場からパネリストを」と依頼され、「今やらなくては」と決意し、地域の農家などに農民組合の結成を呼びかけました。隣の恵那市では、恵那農民組合が準備会であったことから、今回の中津川市での結成に合流することになりました。

 組合長になった林さんは「いままで、やらなくてはと思っても決断できず時間が過ぎていたが、TPPへの参加で酪農は壊滅することになる。まだまだTPPの中身が多くの人に知られていない。もっと知らせなくては」と決意を語りました。

 8月5日の話し合いでは、「組合に加入することではっきりしたメリットがないと、会費を払ってまで組合に入ろうということにはならない」「農業が大変で組合活動の時間がとれるのか」「広域でなかなか集まれない。夜は大変だ」など、率直な意見が次々と出されました。

 「困難な問題はあるけど、組合を作ることが大事だ」「広く加入を呼びかけて、問題を解決しよう」と、当面準備会で活動して一日でも早く正式に結成するためにTPPの学習会を開くことを決めました。

 中津川での動きは、県内各地へ影響を広げています。県食健連でも、それぞれの地域で中津川のような取り組みを広げることが大事だと話し合われ、飛騨や西濃地域などでも学習会の動きが始まっています。

(岐阜県農民連 中島新吾)

(新聞「農民」2013.9.2付)
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2013年9月

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