全農研
定期総会と地域研究会開く
大企業に特権与えるTPP批判
農業教育の意義あらためて強調
全国農業教育研究会の第43回定期総会兼地域研究会が8月3、4日、長野県小諸市で開催。全国から22人が参加しました。
内山雄平事務局長は基調報告で「安倍政権の教育政策はいたずらに競争をあおるものばかり。しかも道徳の教科化で軍国主義が再び頭をもたげようとしている。それに対し農業教育は作物と向かい合い、何のために生きているか問いかけている」と農業教育の意義を報告。TPPに関しては「二枚舌を駆使して進めているが、グローバル化した大企業に特権を与えるルール作りだ」と批判しました。
自民党の農業政策に対しては「農民不在で進められ、農業の本質を理解していない自己陶酔による観念論だ」と批判しました。またネオニコチノイド系農薬問題を取り上げ、「農薬問題はカーギルやモンサントなどの多国籍穀物メジャーの食糧戦略につながる。TPPはこういった多国籍企業のロビー活動によるアメリカ議会への圧力と解釈できる。これに対抗する最も強力な手段は地産地消や有機農業といったローカルな技術だ」と報告しました。
講演会では、農民連の元代表常任委員である小林節夫さんが講演。自身の農民運動の体験などを振り返りながら「自給率ではなく農家の経営規模のみを問題とするやり方は、戦後の食糧難の時代から続いている問題だ。効率が悪いというが高温多雨の日本の農業はヨーロッパなどに比べて今でも効率がよい。こうした気候要因などを無視してただ規模が小さいことを問題視している」と述べました。
また「農業と教育はどちらも、これほど効率と縁遠いものはない」「農業は奥深く、人間、自然のありようにつながる」と話しました。
研究会を通じて農業教育の意義や、現場の先生が使いやすい手引きの作成などについて、活発な討論が行われました。
(新聞「農民」2013.8.26付)
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