「農民」記事データベース20130826-1082-04

原水爆禁止世界大会長崎

“核兵器は非人道的”と断罪
1日も早く核ゼロの社会を

関連/運動発展させる決意新たに


 原水爆禁止2013年世界大会長崎が8月7〜9日に開催され、7日の開会総会には世界各国から6500人が参加しました。開会総会で田上富久長崎市長が「核兵器の非人道性が大きく取り上げられるようになってきました。一日も早く核兵器のない社会を実現するために、ともにがんばりましょう」とあいさつ。

 アンゲラ・ケイン国連軍縮問題担当上級特別代表からもメッセージが寄せられました。

 静岡県湖西市の三上元市長は「原子力発電所も核兵器とみなす決議案を提案します。原発は攻撃されると自国民を攻撃する核兵器となるからです。自国に核の地雷を埋めて攻撃してくださいと待ち受けているのが原子力発電所なんです」と訴え、福島県の小学6年生は避難生活の感想を話したうえで「核兵器は必要ない。本当に必要なものを作ってほしい」と話しました。

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核兵器廃絶を訴える福島の小学生

 8日は各地で分科会が開催され、様々なテーマについて活発な行動、討論がなされました。

 9日の閉会総会では7000人が参加。映画監督のオリバー・ストーンさん(アメリカ)も参加し、「歴史を知ってこそ過去の過ちを防ぐことができる。日本の青年に歴史をきちんと伝えてほしい。日本は主権国としてアメリカにものを言うべきだ」と話しました。

 最後に、「核兵器禁止条約の交渉開始を求める世論と運動の巨大なうねりをつくりだし、いまこそ『核兵器のない世界』の扉を開きましょう」などと訴えた、長崎からの呼びかけを採択し閉会しました。


核兵器廃絶も原発・TPP反対も

運動発展させる決意新たに

原水爆禁止世界大会長崎に参加して
農民連本部 吉川 利明

 原水爆禁止2013年世界大会・長崎では、4つの大きな変化を感じました。

 ひとつ目は、「核兵器の非人道性」の追及が急速な広がりを見せていることです。

 6日の平和記念式典で、松井一美広島市長は「原爆は非人道兵器の極みであり『絶対悪』です」と断罪。9日の平和式典で田上富久長崎市長は「日本政府が核兵器の非人道性を訴える共同声明への署名を拒否」したことを指摘し、「被爆国の原点に反する」と政府の姿勢を批判しました。被爆者の平均年齢は78歳。「もう時間がないのです。私たちの生きている間に地球上から核兵器のなくなることが願いです」との訴えには心打たれました。

 二つ目は、「公平な社会の実現」が大きなテーマになったことです。2日目の分科会には、「核兵器廃絶とくらし」の第9分科会に参加しました。全日本民医連の長瀬文雄さんが、自民党の福祉政策と貧困・くらし・いのちについて、平和委員会の川田忠明さんがアメリカの軍事戦略・核戦略と軍事費、日米安保とくらしについてのミニ講演。私も「TPPとくらし」をテーマに特別報告し討論に加わりました。

 アメリカのアジア戦略の中での日本の再軍備、TPP交渉参加はごく一部の利益のための政治であり、その中心に核による支配があることが鮮明になった分科会でした。

 三つ目が、核兵器廃絶を求める巨大な国際的な運動の発展です。

 いまや7割を超える政府が、核兵器禁止条約の交渉開始を求め、NPT(核不拡散条約)再検討会議が開催される2015年に向け、世界が動き出しています。

 四つ目が核兵器も原発も人類とは共存できないことが強調されました。

 決議は「原発の再稼働と輸出に反対し、核兵器と原発との危険な関係や放射線被害の実情について学び知らせましょう」と呼びかけています。

 核兵器廃絶の大きな流れと切り結び、原発反対・TPP交渉からの撤退の運動を発展させる決意を新たにしました。

(新聞「農民」2013.8.26付)
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2013年8月

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