「農民」記事データベース20130826-1082-03

官邸前アクション

TPP交渉から撤退せよ

参院選・交渉参加後、初の行動

関連/長野・飯伊で 26団体が幅広く共同


 「STOP TPP!! 官邸前アクション」実行委員会は8月6日、月1回恒例の行動に取り組みました。官邸前行動が始まってから1年がたち、参院選挙後、また日本がTPP交渉に参加してから初めてのアクションとなりました。

 アジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子さんは「今までは『参加反対』のスローガンでしたが、これからは『交渉からの撤退』を求めることになります」と開会あいさつ。

 冒頭、参院選で当選した議員2人がそろってかけつけました。日本共産党の紙智子さんと吉良よし子さんです。

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TPP交渉からの撤退を求める(左から)紙、吉良両氏と全国食健連の坂口正明事務局長

 紙さんは「再選し、ここに戻れたことと、吉良さんと一緒に参加できたことは二重の喜びです」と述べたうえで、TPPの秘密交渉を厳しく批判。「重要5品目を守れないことがはっきりしたのに政府は撤退せず、条件闘争に入ろうとしているのは許せない」と訴えました。

 吉良新議員は「広島の平和記念式典から新幹線で戻ってきましたが、窓から見る田んぼの風景は美しい。TPP参加でこの風景を壊してはならない」と語りました。

 社民党の福島瑞穂前党首、無所属の山本太郎新参院議員もあいさつしました。

 郵便ポストにふんした郵政産業労働者ユニオンの参加者は、「TPPで郵便貯金が食い物にされ、誰でも入れる簡保が崩される。絶対に許せない」と怒りの声をあげました。

 参加者は、「TPPは許さない」のコールを響かせるとともに、山形の農家がつくったTPP反対音頭を踊り、「交渉から撤退せよ」の抗議の意思を官邸にぶつけました。


長野・飯伊で
26団体が幅広く共同

“粘り強く反対を”と学習会

 長野県の飯伊農民組合では、安倍政権によるTPP参加への暴走に危機を抱き、幅広い団体を結集しての集会を開きたいという機運が高まっていました。南信州地域問題研究所と協力して、JAみなみ信州、下伊那園芸農協などの団体に申し入れ、農協、園芸農協、飯伊森林組合と共催の合意を得られました。多くの団体に呼びかけ、26団体からなる共催の実行委員会ができました。

画像 7月28日に飯田市で学習会が開かれ、100人を超える市民らが参加しました。

 阿南町の和合森林組合の村沢博光氏が「農業分野にとって、TPPへの参加は、林業の二の舞になる」と発言しました。JA職員は「中山間地域の農業は地域のコミュニティーを支える中心的産業としての存在がある。TPPで崩壊してしまう」と文書発言。健和会病院の職員は「医療分野に市場原理が持ち込まれると、助かる命と、助けられない命が生まれる」と訴えました。

 立正大学の北原克宜教授が「参院選後のTPP問題の行方と展望」と題して講演し、「あきらめずに粘り強く反対の運動を進めよう」と話しました。

 夏野菜や桃の収穫期と重なったなかでの開催でしたが、「よく集まった。よい学習会だった」という参加者の感想がありました。これを機に、更に反対運動を幅広く盛り上げていければと考えています。

(長野・飯伊農民組合 松村隆平)

(新聞「農民」2013.8.26付)
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2013年8月

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