大賞は(株)ワタミフードサービスに決定365日24時間 死ぬまで働け
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会場でのシール投票でもワタミが“圧勝” |
ワタミといえば、全国10カ所に直営農場を展開し、大企業による農業への参入・支配を推し進める財界の“露払い役”ともいうべき役割を果たしている企業でもあります。また創業者の渡邉美樹氏は、今年7月の参議院選挙では「TPPの推進」「TPPに負けない競争力ある農業」を掲げて、自民党の比例代表候補として出馬し、ギリギリで当選しました。実行委員会は、「ワタミは、現在に至るも過労自殺に追い込まれた女性社員の遺族との面談も謝罪も拒否しており、こんな対応をしても国会議員になれるという誤ったメッセージになってしまう」と、渡邉氏の姿勢を厳しく批判しています。
さらにこのブラック企業大賞で注目されるのは、外食産業が数多くノミネートされ、しかも「激安」が売り物の大手チェーン店ばかりという点です。昨年ノミネートされた10社中3社(ワタミ、すかいらーく、ゼンショー[牛丼チェーンすき家])、今年は8社中3社(王将フードサービス[餃子の王将]、(株)サンチャレンジ[ステーキのくいしんぼ]、ワタミ)が、多くの人が知っている外食チェーン店であり、その「ブラック企業」と呼ぶにふさわしい違法な働かせ方に、市民から強い批判の声が上がっています。
遺族と支援する労働組合は、労働実態と原因の解明のために経営者ら責任ある立場の人との面談を同社に求め続けているが、同社は顧問弁護士との面談を除いて応じる姿勢を見せていない。逆に同社は昨年11月、遺族を相手取り同社が支払うべき損害賠償金の確定を求めて民事調停を申し立てた。
同社が全社員に配布している「理念集」という冊子には、「365日24時間死ぬまで働け」と書かれているという(『週刊文春』2013年6月13日号)。
労働時間はコンピューターで管理され、1日10時間超の労働時間は入力できない仕組みになっており、組織的に残業代の不払いを行っていたことも明らかになっている。
男性の自殺を渋谷労基署は過労によるものと認定。男性は亡くなるまでの8カ月間、最少で月162時間、最多で227時間も残業しており、亡くなった当日まで連続90日間勤務していた。しかも名ばかりの「管理監督者」として、残業代もボーナスも支給されていなかった。
また男性は、男性上司からひどい嫌がらせやいじめ、暴力を受けており、人格否定または罵倒する発言が執ようにあったほか、時には頭を殴られるなどの暴行も行われていた。
[2013年8月]
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