「農民」記事データベース20130812-1081-09

山形豪雨
各地で被害続出

特産の「だだちゃ豆」に被害

関連/山口豪雨 裏山土砂流れ、田んぼに濁流


励まし合ってがんばりたい
行政に早く対応してほしい

 各地で大雨による被害が報じられています。山形県内では農業への被害も多発。農民連は復旧に向けて行動を始めました。山形県農民連の花烏賊義廣会長と農民連本部の町田常高さんが、現地を視察して見舞金を届け、激励しました。町田さんのリポートです。

 山形県・庄内地方は、7月に入ってからほとんど毎日のように雨が降り続きました。地中に水分がたまったところに、18日朝には鶴岡市で1時間あたり60ミリを超える激しい雨が降り、山間部で土砂崩れや水路・農道の損壊、農地の崩落、土砂の流入などの被害が発生しました。

 同市関谷地区に住む遠藤重輔さん(77)は、自宅前を流れる沢があふれて畑を流されました。「あんな大雨は初めて。本当に驚いた」と振り返ります。田麦俣地区の渋谷薫さん(65)の田には山から濁流が押し寄せ、一部が土砂で埋まったほか、のり面が畦もろとも崩れ落ち、水が抜けてしまいました。遠藤さんらは「自分たちの力だけではとても復旧できない。毎日の農作業や生活に関わることなので、行政に早く対応してほしい」と訴えています。

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土砂に埋まった渋谷さんの田んぼ

 一方、鶴岡市の平野部でも畑の水が抜けず、特産のだだちゃ豆のさやが変色したり、根腐れで株が枯れるなどの被害が広がっています。

 庄内農民連副会長の渡部正一さん(62)は「この災害で農業をあきらめてしまう人が出ないか心配です。困ったときこそ農民連の出番。励ましあってがんばりたい」と力をこめて語りました。


山口豪雨
裏山土砂流れ、田んぼに濁流

立ち寄ってくれなかったら…
仲間の応援に喜ぶ老夫婦

 7月28日、島根県との県境で日本海側に位置する山口県萩市の須佐・田万川・むつみ、山口市の阿東、阿武町で集中豪雨が発生し、死者行方不明者が発生しました。朝から降り始めた非常に激しい雨が数時間降り続いたため、土砂崩れ、河川の氾濫(はんらん)、堤防の決壊、床上浸水、床下浸水など予想を超える被害が出ました。

 いずれも中山間地域に位置し、主に川沿いの田んぼやリンゴ畑、家屋などに被害がでています。特に、港に集中して民家のある須佐町は、ほとんどが床上浸水し、家財が使えなくなり路上の両側にうずたかく積まれていました。まだまだ家の中が泥だらけです。

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川の氾濫で田んぼと線路の土砂が削られました(山口市阿東徳佐地域)

 農民連ふるさとネットの準産直に出荷している法人嘉年ハイランドの農家は、スキー場もある十種ヶ峰に降った豪雨で土砂が川を埋めてしまいました。激流が土手を壊し、多くの田んぼに被害が出ているそうです。残念ながら、道路が通行止めとなり、現場には行くことができませんでした。

 8月1日、被害地域の組合員を回りました。むつみ地域の組合員で80歳になる老夫婦のところへ立ち寄ったところ、裏山の土砂崩れで、台所が半分土砂に埋まっていました。

 さっそく仲間に連絡を取って、2日と4日に台所と家の周りの土砂を取り除く作業をしました。「もし立ち寄ってくれなかったら、1〜2カ月このままかもしれなかった。また来てくれ」と老夫婦は喜んでいました。

(山口県農民連 世良輝久)

(新聞「農民」2013.8.12付)
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2013年8月

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