京丹後(京都)に米軍レーダー配備
突然の計画 地元民に不安渦まく
あきらめず反対の声あげよう
2月下旬の日米首脳会談で、北朝鮮の核ミサイルに対応するとして、京都府京丹後市にある経ヶ岬航空自衛隊基地に、米軍専用Xバンドレーダー(弾道ミサイルを追尾する高性能レーダー)の配備が、突然、持ち上がりました。その後、詳細が明らかになるにつれ、ますます問題と不安が募っています。
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レーダー基地の予定地にされた田畑は人家と目と鼻の先 |
沖縄と同じことが
アメリカ兵による事件、事故、暴力など、沖縄と同じことが起こりかねません。また1日50トンも必要とされる水問題とその排水処理の問題や、家庭用電子レンジの何百倍ともいわれる出力のわからない電磁波の問題もあります。そして有事にはこのレーダーが標的になりかねないのです。
これらの疑問や不安について何度質問しても、防衛省は「アメリカ側に言います。機密ですので言えません。伝えます」と言うばかりです。沖縄県東村高江のヘリパッド基地の反対運動を描いたドキュメンタリー映画「標的の村」のなかに、京丹後のXバンドレーダー配備の説明にあたってきた防衛省官僚の姿がありましたが、彼は高江では「米軍の基地運用に関してはまったく関知できません」と明言していました。京丹後のXバンドレーダー配備も同じで、これが真実なのです。
反響大きかった宣伝
レーダー基地反対には「米軍基地建設を憂う宇川の会」や、「京丹後の反対の会」などが取り組んできました。
まず地元の宇川地域を中心に、ビラを7号まで発行し、現状を知ってもらうようにしました。反響は大きく、「市にお金が入ると思っていたが、問題がよくわかった」などの声が寄せられています。6月9日には沖縄県宜野湾市の元市長の伊波洋一さんを招いて集会を開き、6月15日には丹後反対集会を開催。京都各地から500人以上が参加して、大きく成功させることができました。
漁業者からも不安の声が上がっています。地元漁協の船外機組合長、モーター組合長が市に意見書を提出。これは地域にとっては大きな意義のあることで、防衛省はこの直後に2人の家を訪問し、「あなたたちは誤解をしている」と説き伏せようとしたといいます。
また、自然豊かな丹後が好きで、ここで暮らし始めた人が集うNPO法人「丹後田舎暮らし支援センター」からも、意見書が提出されています。
共存できない声多く
7号に及ぶビラや伊波さんの話で学習が積み重ねられたことで、最初は「もう決まっていることだから仕方ない」と思っていた地元住民にも、「基地とは共存できない」という声が多数になって来ました。
しかし市長は6月議会で、「受け入れてから詰めていく」などと踏み込んだ発言をしており、知事や市長による受け入れ表明も予断を許さない情勢です。日本で133番目の米軍基地をストップさせるために、引き続き全力を挙げていきます。全国のみなさんの支援をよろしくお願いします。
(京都・京丹後農民センター 三野広海)
(新聞「農民」2013.8.12付)
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