福島県農民連
東電・省庁と交渉
原発再稼働は世界の恥
福島の二の舞許さない
福島県農民連は8月1日、約80人が上京し、全国の農民連とともに東京電力本社前での抗議行動、省庁や東京電力との交渉に取り組みました。
東電本社前での抗議行動では、県北農民連の阿部哲也さんが「自民党政府は原発再稼働とTPP参加という福島県民にとって耐えがたい政策を推し進めようとしている。まして原発輸出など、世界の恥だ。危ない原発はいらない! この声を政府と東電に突き付けようではありませんか!」と力強く訴えました。
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「危ない原発いらない」と東電本社前の抗議行動 |
つづいてマイクを握った浜通り農民連の三浦広志さんは、「東京育ちの父が60年かけて開拓した干拓地の田畑は、原発事故のせいで1年以上も海水に浸ったままだった。父はその田畑をずっと心配しながら、避難生活のなかで失意のうちに亡くなった。福島のみんなの願いは、ただ一つ。福島の二の舞を絶対に起こさないでくれ!日本から原発をなくしてほしい」と悲痛な思いをぶつけました。
規模拡大でも品目転換でも
農業続けるため全面賠償を
東電はいま、営農継続を断念した農家から農地を委託されて「規模拡大」した農家への賠償を拒否しています。また福島では、風評被害などの影響を少しでも軽減しようと、あんぽ柿から桃やサクランボなどに品目転換したいという農家の要求が高まっていますが、東電はこうした品目転換に要する経費の賠償にも応じていません。
東電交渉ではこれらを賠償するよう要求するとともに、省庁交渉ではこれらの賠償を東電に強く指導することなどを要求しました。
しかし東電は「原発事故後の規模拡大は、風評被害があることを知りながら請け負うことにした農家の経営判断であり、東電はその減額分は支払わない」と回答。すかさず参加者から、「とんでもない! 隣の農地が荒れてしまって農業が続けられるか。“農家の経営判断”などいうのは、実態とかけ離れている」「風評被害や汚染が広がっているなかで、福島の農業はますます高齢化が進んでいる。東電のような考えでは、福島も、地域も荒れ放題になってしまう」という怒りの声がわき起こりました。
最後には、「本社賠償室の紫藤英文部長自ら現地に足を運んで、農業の実態を見るべきだ」という声が出て、応対した紫藤部長が「8月10日に現地に行きます」と、確約するに至りました。
また省庁交渉では、農地一筆ごとの実測調査や農家の健康調査も要求しました。農民連は「農家は屋外で長時間作業しており、健康に大きな不安を抱いている。営農継続のためにも、とにかくまず自分の農地の汚染状態を知りたいというのは、当然の要求だ」と、強く要求しました。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が抗議行動と省庁交渉に同席しました。
(新聞「農民」2013.8.12付)
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