「農民」記事データベース20130805-1080-04

ジャカルタからの呼びかけ
(下)

ビア・カンペシーナ第6回国際総会の政治宣言


 平和と非軍事化

 土地収用をめぐる紛争や戦争、軍事基地の拡散、抵抗運動の犯罪扱いが増大している。こうした暴力は、支配、搾取、略奪を基盤とする破壊的な資本主義制度に固有のものである。われわれは、尊敬、尊厳、平和に尽力する。

 たたかいの中で、威嚇、迫害、投獄され、殺害された多数の小農民の存在に心を痛め、敬意を表したい。われわれは、人権や自然の権利を侵害する者たちの責任を問い、処罰を求める。また、政治囚の即時釈放を求める。

 土地と領域

 われわれは、包括的土地改革を求める。これはすなわち、土地に対する完全な権利を保証し、先住民の領域に対する法的権利を認め、漁業従事者による漁場と生態系の利用とコントロールを保証し、遊牧民の移動ルートを承認する。そうした改革を通じて初めて、農村青年の未来が保証される。

 包括的土地改革には、青年、女性、失業者、土地のない人々、土地を追われた人々、小規模アグロエコロジー食料生産に関わる意欲のあるすべての人々に恒久的な土地利用を保証するため、土地、生活・生産資源の大規模な分配を行うことが含まれる。土地は商品ではない。投機や土地収奪から保護するため、現存の法律や規則を強化するとともに、新しい法律が必要となる。われわれは土地と領域のためにたたかい続ける。

 種子、共有財産、水

 種子は食糧主権の中核にある。世界中の何百もの組織がわれわれに加わり、「人類に奉仕する民衆的遺産である種子」という原則を実践している。現在のわれわれの挑戦課題は、農場と領域で種子を増やし、生きた種子をわれわれの地域社会の手に維持し続けることである。われわれは、さまざまな形式の知的所有権並びに、遺伝子組み換え技術による種子汚染を通じた種子の占有とたたかい続ける。遺伝子組み換え作物種子と農薬の大量使用からなる技術の流通に反対する。

 種子の多様性の守り手としてのわれわれの知識、科学的知見、実践は気候変動への適応にとって極めて重要であると認識しつつ、種子の共有を引き続き進める。

 生命のサイクルは水を通して流れゆく。水は、生態系とすべての生命の不可欠な部分である。水は共有財産であり、保護されなければならない。

 われわれの強さを構築する

 われわれの強さは、多様性を通じた団結の創出と維持にある。われわれは、包括的で、広く賛同を得た、実践的かつ急進的で希望に満ちたビジョンを、社会を変革し、地球を守るわれわれの活動へ参加を促す招待状として提示する。

 ・大衆行動、強力かつ積極的な抵抗による対決、国際主義、地元での草の根の取り組みが、有効な社会変革のために必要な構成要素である。

 ・食糧主権のための果敢な闘争において、われわれは引き続き、労働者、都市の組織、移民、巨大ダムと採掘産業に抵抗する組織を含む社会運動と極めて重要な戦略的同盟を築いていく。

 ・われわれの主要な手段は、訓練、教育、コミュニケーションである。われわれは、文化、政治、イデオロギー、技術訓練の方法と中身についての蓄積された知識を交流している。われわれは自らの基盤において、われわれの学校、教育実践、コミュニケーション手段を増強しつつある。

 ・われわれは、農村青年の権能を強化する場を創設することに力を尽くす。将来の最大の希望は、われわれの運動において青年たちが示す熱情、エネルギー、献身である。

 われわれは、このビア・カンペシーナ第6回国際総会において、33の新規組織を受け入れ、闘争に確信をもち、将来への希望を抱きつつ、前進していく。

土地と民衆の食糧主権のために闘争と連帯を

(新聞「農民」2013.8.5付)
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2013年8月

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