「農民」記事データベース20130722-1078-10

岩手 なたねシリーズ

あぶらを搾る
(6)


農民連の仲間と生涯の仕事にと

 今から30年以上も前のことです。北海道の農業試験場で、市場の野菜の栄養価が激減しているとのデータが発表され、衝撃を受けました。原因は早採りできる種の改良、旬を無視した栽培、ハウス、加温栽培、農薬使用で土壌微生物が死滅している等々があることでした。私たちはその実態を把握したうえで、補って食べることの重要性を痛感させられた発表でした。

 そして現在も、需要が増えて、人体への影響が心配されている食油についても、幸いにも脂肪酸のバランスの良いナタネが改良されています。添加物が使用されない純粋な圧搾法で製造されたものを選んで食べることの大切さをぜひ知ってほしいのです。

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ナタネからよい油を搾ります

 私たち生産者は、消費者のみなさんに、単に新鮮な農産物を届けるだけでなく、旬や安全性、おいしさに加えて、その農産物に含まれているはずの、日本の土壌、気候風土の中で培われた栄養素もしっかりと届けることで、日本の農業の大切さをも知らせることができると思います。私はそのことを農民連のみなさんに教えていただきました。農民連のさまざまな集会、学習会、運動のなかで教えられ、確信を持ち、誇りを持って仕事に励んでいるのです。

 そして私たちの工房では、これからも安心して食べられるナタネ油の加工とその普及活動を生涯の仕事にとがんばっています。信頼してやまない農民連の仲間の中で……。

(おわり)
(工房地あぶら 伊東庚子)

(新聞「農民」2013.7.22付)
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2013年7月

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