明乳の不当労働行為救済申し立て
都労委が却下の不当命令
争議団
抗議の集会と座り込み
労働組合活動を理由とした賃金・昇格差別の是正を求めて、明治乳業の労働者32人が不当労働行為の救済を申し立てた問題で、東京都労働委員会は9日、申し立てを却下・棄却する不当命令を出しました。
明治乳業は1960年代に人減らしを進めるなか労働組合を敵視し、組合役員選挙に介入。元役員らに最高で年間200万円を超える賃金・昇格差別や職場からの排除を繰り返してきました。これに対し、1994年に都労委に(1)差別の是正(2)損害賠償と慰謝料の支払い(3)将来にわたり組合活動による差別をやめる―などを求めて、申し立てを行い、2011年11月に結審していました。
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勝利を目指し、力強くこぶしを振り上げる争議団(明治HD本社前) |
明治乳業争議団はこの日、午後6時半から都内で報告集会を開きました。明治乳業争議支援共闘会議議長の松本悟さんは主催者あいさつで「都労委は死んだ。ブラック企業の合法化、企業の応援団へと変質した」と厳しく非難しました。
弁護団は都労委の命令に対し、(1)申立人が立証した職分号給上の大幅な格差を無視し、(2)東京高裁判決が認めた不当労働行為を否定し、(3)企業が立証責任を負うべき格差の合理性の立証について申立人に押し付ける、きわめて不当な判断であると指摘、勝利するまでたたかい続けることを確認しました。
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翌10日午前9時から明治ホールディングス(明治HD)前で抗議の座り込みを行いました。猛暑の中、30人ほどが参加し、申立人が次々とリレートークで「差別の事実は消えない」「隠ぺい体質を改善せよ」「食品の不祥事を繰り返すな」とアピールし、明治HDの横暴と都労委の態度を非難しました。
多くの支援団体からも激励のあいさつがあり、全国食健連事務局次長の上山興士さんも「国民の食糧と命・健康を守るたたかいで中心となって頑張ってきたのが明乳争議団だ。本当の解決は労使の話し合いでしか実現しない。明治HDはなぜ交渉の席に着かないのか」と発言しました。
最後に明乳争議団の小関守団長は「真しに労使が話し合い解決する以外に道はない。最後まで一致団結してたたかう」との決意を述べました。
(新聞「農民」2013.7.22付)
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