アベノミクスの
所得倍増に疑問
“米価を4割下げる”と明記
→「所得倍増」どころか「半減」
自民党の目玉政策、「所得倍増10カ年戦略」に大きな疑問と不信が渦巻いています。
日本農業新聞の「農政モニター調査」では、「所得倍増10カ年戦略」を「評価する」と答えた人が6・4%。これに対し、「評価しない」「所得が何を指しているのか分からないので評価しようがない」が合計48・1%。さらに「評価するが施策や予算の裏付けが乏しい」と懐疑的な人が42・6%。合計90・7%で、10人に9人が疑いの目で見ています(7月4日付)。
この疑いには十分な根拠があります。アベノミクスの中心、「成長戦略」では米の生産コスト、つまり米価を現在の1万6千円から4割下げることを明記しています。
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田植えから2カ月。稲の生育も順調です |
下図のように、この20年で米価は1俵(60キロ)2万1000円強から1万5000円台に3割下がり、農業所得は160万円から100万円に4割下がりました。このうえ米価が4割下がったら、所得は70万円かそれ以下に下がることは明白です。
倍増のかけ声のウラで…
これではサギではないか 自民党のいう「所得」が何を指しているのかは不明ですが、農業所得を「倍増」させるとすれば200万円の計算になります。私たちは米の生産費をつぐなう価格保障で、倍増どころか3倍増にしてほしいと願っていますが。
「所得倍増」のかけ声の裏で、「所得半減」をめざす――これでは「詐欺」ではありませんか。自民党は農業政策を「15本の矢」になぞらえていますが、この毒矢が射抜こうとしているのは農家です。
(新聞「農民」2013.7.22付)
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