「農民」記事データベース20130715-1077-09

忘れずに続く支援ありがたい

呼び込みが飛び交い
餅つきの掛け声響く


農民連、東京土建、釣り仲間…
宮城 石巻、東松島の仮設訪問

 「アツアツの焼きそばだよ」「冷やっこいさぬきうどんをどうぞ。粉は国産だよ」の声が飛び交い、餅つきの“よいしょ”“よいしょ”の掛け声が響き、住民が列をなして順番を待ちます。

 「なんでも相談会」

 6月29日、宮城県石巻市の仮設住宅で行われた県災対連の「炊き出し&なんでも相談会」の会場です。医療や生活相談などのほか、北海道から沖縄までの各地の農民連から寄せられた米や野菜、県災対連の用意した生活物資などが240戸に届けられました。うどんは、山形県の庄内産直センターが提供し、焼きそばは東京土建一般労働組合板橋支部(土建板橋、寺山健一委員長)の提供です。土建板橋は住民の求めに応じてベンチの作製や、窓やドアのゆがみを直すなどの作業も行いました。

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子どもにいす作りを手ほどきする大工さん(石巻市の仮設住宅)

 山形の産直米も

 翌30日は農民連と土建板橋のみなさんで東松島市の小規模仮設住宅を訪ね、住民や農民連と顔のつながる被災者のみなさんに物資を届けました。山形おきたま産直センターが消費者の協力を得て用意した5キロ詰め精米と農民連の野菜などに土建板橋が用意したタオルケットが添えられ、持ち切れないほどの物資が台車に載せられて各戸に届けられました。

 その後、屋外にシートを敷いて被災者のみなさんが用意した心づくしの料理を囲んでの交流となりました。「被災者にごちそうになるのははじめてだよ。みなさんくらしはどうなの?」「町はきれいになったけど生活のメドはまだまだ……」「医療費免除打ち切りで医者にかかれない人もいるよ」などの会話が交わされ、また「ようやく船が届いた。これからだ」「忘れずに続く支援はほんとうにありがたい」などの声も聞かれました。

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昼食時には和やかに会話も弾みました(東松島市)

 あずまや建設協力

 寺山委員長をはじめ22人が参加した土建板橋は、今回で8回目の支援行動で、この間、東松島市の農民連会員の農地のガレキやビニールハウスの撤去・修復、車両や電動工具の提供などの支援をしてきました。

 この日も畑にあずまやを建てたいという被災者の声に、その現場に足を運んで協力を約束していました。寺山委員長は「被災者と直接交流しナマの声が聞けて貴重な機会になった。今後も支援を続けたい」と話していました。

 今回の行動には私のつり仲間で研師の菊池健さんとお手伝いの武田英男さんが2回目の参加。包丁研ぎは人だかりができるほど好評で、2日間で合計80丁余りを研ぎ上げました。菊池さんは「海辺のみなさんだけに出刃が多かった。喜んでいただいたようで機会があればまた訪ねたい」と語りました。

 選挙用号外そえて

 届けた支援物資の袋には新聞「農民」の号外が添えられましたが、宮城農民連事務局の芳賀緑さんは号外を手に住民に、「TPP参加は被災地に大きな打撃。これを止めるには今度の選挙が大事」などと話しかけ、「わかったよ。都議選よかったからね」などと住民の共感を得ていました。
(農民連ふるさとネットワーク 横山昭三)

(新聞「農民」2013.7.15付)
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2013年7月

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