環境NGOが共催
日本の温暖化・エネルギー政策
自民党政権は後退させるな
温暖化国際会議の報告会
危機意識共有し、すすむ国際交渉
国連の世界気象機関は7月3日、「2001年からの10年間の世界平均気温が、観測史上最高を更新した。地球温暖化は確実に加速している」と発表しました。地球温暖化をいかに止めるか――国際交渉での模索が続くなか、日本の自民党政権の環境・エネルギー政策の後退が、削減目標の引き上げに向けた国際交渉全体に水をさしていると、NGOなどから批判の声があがっています。6月にドイツで開かれた国連気候変動枠組み条約会議に参加したNGOが7月2日、都内で報告会を開催しました。
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6月の国連気候変動枠組み条約会議 |
自民党政権はいま、福島原発事故を受けて民主党政権下で進んでいた環境・エネルギー政策の見直しを全面的にくつがえし、後退させる方向で検討を進めています。自民党は、8万件を超えるパブリックコメントを経てまとめられた「2030年代に原発ゼロ(革新的エネルギー・環境戦略)」も、鳩山元首相が国連で宣言した「温室効果ガス25%削減目標」も、「ゼロベースで見直す」と明言。今年4月からは温暖化対策の政府目標も計画もない状態を放置しているばかりか、温暖化防止の国際支援として原発輸出を推し進めようとしています。
現在、温暖化をめぐる国際交渉では、(1)2015年までに新しい法的枠組み(議定書など)を合意し、2020年から発効させる、(2)2020年までの排出削減を強化する、の2つが主要な議題となっています。
交渉の概要を説明した気候ネットワークの伊与田昌慶さんは、「たしかに交渉は難航しているが、多くの研究機関から温暖化の加速が続々と報告されており、交渉の現場では温暖化への危機感が共有されている。危険な気温上昇を回避するためにいかに削減目標を引きあげるか、というギリギリの話し合いが続けられており、日本政府の後ろ向きの姿勢は“すべての国が参加する”という気候変動枠組み条約の原則をも危うくする」と指摘しました。
(新聞「農民」2013.7.15付)
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