第38回全国公害被害者総行動収束も真の復興もほど遠い福島原発事故被害者200人訴え
各省庁交渉・決起集会開く公害の根絶と被害者の完全救済を求めて、全国の公害被害者が行動に立ち上がる「第38回全国公害被害者総行動」が6月6、7の両日、東京・霞が関周辺で繰り広げられました。同行動ではグループに分かれて、環境大臣をはじめ国土交通省、経済産業省、農水省、内閣官房などの省庁や、東京電力、電気事業連合、日本経団連などとの交渉を行ったほか、6日夜には日比谷公会堂で総決起集会を開き、1300人が集いました。総決起集会では、各地で公害とたたかっている被害者たちが登壇し、いまだ続く公害の実態と反対運動を報告しました。カドミウムに汚染された農地の復元が30年かかって完了したと報告した富山県のイタイイタイ病被害者たち。九州・諫早湾干拓事業の水門の開門を求めてたたかっている「よみがえれ有明海訴訟」の原告団は、水門の開門を命じた高裁判決が確定しているにもかかわらず、2年半たっても開門に向けて動き出さない農水省の姿勢を厳しく批判し、「干拓が始まって海が汚れ、漁獲量が減り、20数人の漁民が自ら命を絶った」と述べました。 最後に、福島原発事故の被害者約200人が壇上に上がり、訴えました。原発事故が原因で自殺に追い込まれた野菜農家の遺族で、福島県農民連会員の樽川和也さんが発言したほか(別項)、楢葉町からいわき市に避難している金井直子さんが、いまだ収束とも真の復興ともほど遠い被災地の実態を報告。「今の楢葉町は放射性廃棄物の黒い袋がうずたかく積まれた除染の前線基地になってしまっている。私たちはすき好んで家族バラバラの避難生活を送っているのではない。理不尽だ」と訴え、熱い連帯の拍手が送られました。
東電が謝罪するまでがんばる福島県農民連 樽川和也さんの訴え先日、東電の責任を認めさせる内容で、和解が成立しました。しかし東電は最後まで金は払うが謝罪はしないとの姿勢を変えませんでした。私たちががんばってきたのは、金のためではありません。「原発事故の死者はいない」と東電に言わせないためです。謝罪させるまで、これからもがんばります。農業への被害は現在も続いています。できた作物を食べていいのか、売ってもいいのか、問い続ける毎日です。安心・安全な作物を作り、みんなに喜んで食べてもらえるよう、がんばっていきたいと思います。
(新聞「農民」2013.6.24付)
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[2013年6月]
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